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[高殿円] プリンセスハーツ 両手の花には棘がある、の巻

力こそがすべてという草原の戦士の忠誠を得るためには、王として力を見せつけなければならないと判断したルシードは、軍を率いて、北へと遠征した。戦は快勝し、気分良く都へと凱旋した王を待ち受けていたのは、愛する人のそっくりさんである仮面夫婦の妻ジルと、その隣になんと、ルシードの愛妾を名乗るオルプリーヌ嬢がいて……

仲睦まじい大公ルシードと公妃ジルは、実は仮面夫婦で、彼らの正体を知るマシアスと三人で手を組み、打倒パルメニアのために、国力を強化していこうというお話の第二弾。今回は、有力貴族の娘オルプリーヌ嬢が、愛妾になるべく押しかけてきて……というお話。

戦場で武を見せていたときは、あれほど格好良かったのに、王宮へ戻ってきてからは、愛妾から逃げるために、トイレで寝泊りするなんて……。ルシードの情けなさに笑いが止まらん。権力があっても、逆に相手の面子を考えて思うように動けないあたりは、窮屈ですね。ジルあたりなら華麗にかわすんでしょうけれど、そこまで気が回らないルシードの不器用さが光ります。

っていうか、ジルに愛妾をつれてこられて、ショックを受けてる時点で、もうニヤニヤがとまらなくて。おいおい、目的のために手を組んだだけじゃないの?と、側にいたらからかってあげたくなるぐらい。

一方のジルは、やってきたオルプリーヌが、城をわが身のごとく動いても、なんら気にしない姿が、すっごい面白い。相手は嫉妬してほしいのに、きれいな帯を見せつけられても、そこから税収を考える思考回路が素敵でした。
こうなったら、熱くなるのはルシードだけかと思ったら、ときおり、もにょもにょする思いを見せてくれたりして、思わずグッとこぶしを握ってしまいました。そうだよ、そうきてくれないと困るよとニヤリ。

いろいろと愛妾問題が王宮を駆け巡る中、町では教会の横暴に苦しむ民衆がいて、これらを以下に解決するかとジルやルシードが頭を悩ませていましたが、こういうときのジルの切れ味は素敵だなあ。ルシードからすると、先を行かれてムカつくというよりは、自分に対する悔しさみたいなのがあるんだろうなあ。

王宮内にわずかな歪みが見え初めたとき、普段なら軽く裁けただろうに、ひねくれた想いが思わぬ嫉妬を呼び合って、自体が少しずつ不穏な方向へと向かっていって、ドキドキ。
まさか、ここで敵が手を伸ばしてきた?と思ったら、囮だったとは思わなかった。というか、ここで続くとは!

未だはっきりとしないことが多いだけに、いったいジルがどうなるのか気になるばかり。リドリスあたりも、ひょっとしたら何か絡んでるのかしら。だとすると、不安だなあ。ああ、頼むから短気を起こさないでくれよルシード、と祈りながら、続きを待ちたいと思います。

プリンセスハーツ 両手の花には棘がある、の巻 - 高殿 円

プリンセスハーツ 両手の花には棘がある、の巻
高殿 円

小学館(文庫)
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ちなみに前作「プリンセス・ハーツ 麗しの仮面夫婦」はドラマCDも発売中とのことなので、興味があったらぜひ。

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