慧俊は国帝に即位し、慧俊を慕っていた愛鈴は、宮技から后となった。貴族の交流に戸惑いながらも、慧俊の側にいられることを幸せに思っていた。
そんなある日、愛鈴の弟の修安が、国試を受けに華安へやってきた。久しぶりに会う弟に、思わずはしゃいでしまった愛鈴だが、慧俊のことを快く思っていない修安は、自分よりも夫である慧俊の話しかしない愛鈴に不満を募らせて……
貧しさから売られた娘の愛鈴が、お忍びの太子と出会って、惹かれあっていくといったシンデレラストーリィの第二弾。即位した慧俊と后となった愛鈴の元に、愛鈴の弟の修安が訪れて、というお話。
もうね、はじめの三ページ読んだだけで、ニヤニヤどころか、クーとか言いたくなりましたよ。夫婦になっても、初々しい反応を示す愛鈴のかわいさがたまりません。彼女が何をしたいのか、気づいているのに、わざと言い出さないで、反応を試す慧俊の気持ちがよくわかります。まあ、そんな慧俊も、外から見たら、惚気まくりの愛鈴大好きっ子なんですけどね。
前作よりも、より面白く、より、甘くなっててたまらないったらありゃしない。脳がとろけそうになるぐらい、甘いお話が読みたかったらぜひ。といきなりお勧めしてみたりする。
そんなふたりの仲の良さを羨んだのが、愛鈴の弟の修安で。
まあ、大好きな姉ちゃんが、自分に構ってくれないので拗ねてしまうのはわかりますが、相手に対して嫉妬だけならまだしも、自分に対して、無駄に高いプライドを持ってるあたりは、ちょっと痛かったなあ。さらには、慧俊の覚えが悪い連中たちが、后の弟である修安に対して、いろいろ吹き込むところは、都会に来てキャッチセールスにひっかかった、みたいな展開で、もう見てられなかったです。
姉さんがどれだけ苦労したかも想像せずに、自分の都合のいいように物事を取り上げてしまうところには、幼さですむところもなくはなかったですが、手を出してしまったら、それはもはや愚かとしか言いようがなくて。この程度のことが想像できないとは思えませんが、欲や恋に惑わされるとは、こういうことなのかもしれませんね。
自らの身と弟のことで、心を痛める羽目になった愛鈴でしたが、苦しみながらも、ひたすら慧俊のことを思い、そして、最後に決意をするところは、今までと違った強さを見ることができました。普段は弱々しくあっても、慧俊についていくときに、后としての覚悟は決めていたんでしょうね。脅しに屈せず、敵味方関係なく、魅了させた覚悟の舞が神秘的でした。
愛鈴を助けるために、多くの人が動いてましたが、中でも佳葉の言葉と行動には、胸を熱くさせられました。同じ道を歩んで、同じような境遇であるからこそ、どのような思いをしているかが、想像に難くなかったからでしょう。愛鈴の戻るべき場所を守る姿をみたら、彼女の熱意に動かされる人たちの気持ちもわかります。
いろいろとおかしなところがないわけじゃないですが、帰るべき場所に帰り、愛する人の側にいられる喜びを感じさせてくれる最後に、心温まるものがあったのでいいかな。
いやあ、よかったです。愛鈴をお姫様抱っこしたり、膝枕してもらったりと、大切にしながら、甘える慧俊と、そんな彼の態度に心から照れながら、それでいて嬉しく思っている愛鈴の姿が見れるラストに満足です。あー、いいなー、ちくしょーと思ったかどうかは内緒。
ここまできたら、愛鈴の「望み」がかなうまで、ぜひ続いてほしいですね。期待して待ってます
舞姫恋風伝~廃城の反乱
深山 くのえ
なお、初回特典版は、第一話のドラマCD付きです。通常版よりも290円高いけど、このくらいだったら、そんな高くないから、買えば良かったかも。
舞姫恋風伝~廃城の反乱 初回限定特装版
深山 くのえ
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