吟遊詩人の歌によって、眠りの世界に囚われた父を救うために、王子のフェザンと不思議な力を要するアンジュは、隣国バハウ帝国の皇子シェラダンを訪ねた。突然の訪問に驚きながらも、詳しいことを聞かずに力を貸してくれたシェラダンのおかげで、かつて西クリセニアンに吟遊詩人の詩に登場したニウマ皇国があることを知り、さらに古代の地図にはエル・デオの名も記されていて……
吟遊詩人の歌に導かれるように、フェザンとアンジュが、バハウ帝国のイシル城、エルドームを経て、西クリセニアンへと導かれていくお話。うーん、宮廷ものっぽいやり取りは全然なくて、ほとんどがフェザンとアンジュの導かれていく過程だったのは、個人的には物足りなかったです。「ニウマ皇国」や「エル・デオ」と言った重要そうな地名に近づいてはいるものの、動いているというよりは、動かされているという印象を受けたのもあるかもしれませんね。
前作を読んだとき「この一冊を使って、ようやく物語の始まりが見えるって感じ」と書いたんですが、今回も同じように思えたので、まだまだ序章、とまではいかないまでも、枠組みを作ってるところなのかもしれません。いろいろと詰め込まれてるので、覚えていられるかどうか。
そんな中、印象に残っているのは、隣国バハウの王族しか入れないというパム神廟の描写ですね。国の歴史が刻まれているとされる場所が、こんな幻想的だとは思いませんでした。実際見たら怖いと思うけど。
そこで知ったこともさることながら、忍び寄る大きな力をチラッと見せられる描写も不安を誘ってくれました。まあ、そのあとのアンジュの言葉のシーンのほうが、印象に残っちゃいましたけど。イラストとあいまって、思わずドキドキさせられたが、まてまて、おおやさんのイラストだと女にしか見えないけど、アンジュは男だ。忘れるな。微妙にBLな空気も漂ってる気がするのは気のせいでしょう。うん。
吟遊詩人の導かれる様に、フェザンとアンジュが道を進んでいくのに対して、大人たちが振り回されるところは、コミカルではありますが、何やってるんだかと呆れる感じがないわけでもないです。後手後手に回ってる大人たちが、今後どんな手をうってくるのか楽しみだなあ。
フェザンたちの冒険もいいけど、個人的には、エルミネール内で、ジークラードとラリッサあたりに何か起きてくれると……なんて思いもあったりします。小生意気なラニールあたりが、何か騒動を引き起こしたりしないかドキドキ。
眠れる神々の道へ クリセニアン夢語り 2
ひかわ 玲子
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