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[入皐] 蝶の大陸 ~黄金のエミーリア~

死魔に取り込まれたものは、死魔となり、人々を襲う。灰暗神魔によって、人あらざるものとなった死魔から街を守るために、神殿騎士団が戦っているが、敵の力に押されていた。そんなとき、伝説の英雄ヴィットーリアを曾祖母に持つエミーリアがこの地を訪れた。神殿騎士団長は、エミーリアに共に戦うよう要請したが、幼馴染の騎士団員ルキノは反対し……

伝説の剣を神殿騎士団に返還しにきたエミーリアを利用しようとする神殿騎士団長と、彼女を戦わせたくないルキノ、そんな二人の間に挟まれて、さらに騎士や町の人たちの様子を見て、剣を取るべきか否かを迷うエミーリアが……というお話。

死地となる可能性が高い騎士団に入れと言う輩の言葉には、戦いを強要されてる感じがして、どうにも嫌だったんですが、エミーリア自身の気持ちが、を使いたいのか、戦いたくないのかさっぱりだったので、なかなか感情移入できなかったなあ。自身がヴィットーリアと同一視されることに、葛藤を抱くところとかも、ちょっと弱くてうーん。

むしろ、死魔との戦いよりも、彼女を心配するルキノの思いのほうが面白かったです。はじめはほんとに仲悪いと思ったんですが、実は、幼い頃からエミーリアが好きだというルキノの不器用な恋愛模様が楽しい楽しい。エミーリアが鈍すぎるおかげで、甘い言葉や態度が、全てがスルーされるルキノが哀れで仕方ない。

偉大なる曾祖母をもったおかげで、人々の思惑に振り回されて、自身の弱さに崩れそうになったエミーリアでしたが、そんな彼女を支えたのが、ルキノだったところが、印象的ですね。少しずつ誤解が解けていくのに、甘い方面に行きそうで行かないところが、もどかしくてもどかしくて。

ただ、ここからの展開がかなーりご都合だったので、物足りなかったです。ここだけじゃなくて、全体的に物語のつながりがギクシャクしてた感じも受けました。例の人の正体もそうですけど、最後の吹っ切るところとか、あまり説得力なかったしなあ。世界観とか素敵でしたし、キャラクタの魅力はバッチリだったので、とてももったいない気分。

続編があったら、うーん、どうしようかなあ。二人の関係は見てみたいけど、それ以外は……。

第1回小学館ライトノベル大賞ルルル文庫部門佳作。

蝶の大陸―黄金のエミーリア - 入 皐

蝶の大陸―黄金のエミーリア
入 皐

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