両親の孤児として生きてきたことで、他人を頼ることに躊躇してしまう日崎鈴は、バレンタインデー当日に、憧れの先輩を前にして、突然現れたドラゴンに連れ去られて……気づいたら、そこは太陽が二つある異世界だった。しかも、巨大化した猿のような、妖魔らしき存在を引き連れた軍に狙われることになり、逃げ出した先で待ち構えていたのは……
幼いころから見続けた悪夢が、異世界で実現となってというお話です。異世界に行ったのは、実は隠されたものを持っていたからで……という良くも悪くもオーソドックスな展開なので、ちょっと物足りないところが多いです。
個人的に物足りなさを感じたのは、長年恨みを持っていたはずの相手をあっさり許してしまうところかな。相手も苦労してきたからといって、うらみつらみが共感に変わるものなのかどうか、ちょっとトレースしきれないところがあって、拍子抜けさせられました。
あとは、力の発動条件というか、封印みたいなやつの解け方もあっさり気味なのが、ちょっとね。始めのほうにいろいろ葛藤っぽいものが描かれていたのに、後半ではさらりと流されちゃってる感じがして、なんか物足りない気分。
とはいえ、誤解や障害を乗り越えて、皆で一丸となって、敵を倒しに行くシーンは良かったですね。こういう盛り上がり方はうまいよなあ。いがみ合っているだけじゃなく、建設的なものの考え方をして、新たに国を作っていく終わり方は素敵でしたね。
全体的にインパクトが無かったけれど、そこそこ面白かったかな。もうちょっと捻ってくれると、個人的には嬉しいです。
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中里 融司
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