「あんたは受けれてるんじゃない。諦めてるんだ」
新之助はそれだけ言って背中を向ける。
「俺は戦う。運命って言葉を言い訳にしたくないんだ」
見鬼の才に悩まされていた藩士の新之助が、拝み屋ふくろうと、化け猫娘ましろと犬神娘くろえと出会い、江戸までの道のりを歩むんでいたら、山の民が崇拝するカンナギの少女を狙う仮面の集団と遭遇して……というシリーズ第二弾。
あー、そうか。山の民というと普通に聞こえるけど、なぜ山に籠もらねばならなかったのかということが見えてくると、人の残酷さを感じる。同じ人でありながら、人あらざるものという意味づけをされてしまうんだから……辛いですね。
そんなわけで、土蜘蛛とまで名付けられる山人たちが崇めるカンナギが狙われるのはなぜか、というのは自ずと答えが導かれてきますが、ここで、ふくろう並にうさんくさいうぐいすなる拝み屋が登場するから、また面倒なことになるんだ。
ましろやくろえが側にいて、さらにはこれまでの旅路で遭遇したこともあり、どこかあやかしに甘いところのあった新之助でしたが、つきつけられた選択は、ただの人である身からしたら、ほんと苦しかったろうなあ。
それでも、運命を言い訳にせず、自分のやりたいように動く覚悟を決める新之助がよかった。
たとえ、そのあとに絶望が訪れたとしても。
カンナギをつれたうぐいすの話から、ふくろうが表に出てきたところには、読んでるこちらまで混乱させられるものがありましたけど、圧倒的な神の力を前にしても揺るがない、それが覚悟なんでしょうね。同時に新之助との差でもあると思います。
このシーンを書くために今回の物語は作られたんじゃないかしら。そう思ったり。
それにしても、今回は印象的なシーンが多かったなあ。個人的に一番印象に残っているのは、終焉を美しさを描写したところですね。あれは切なかった……。
さて、今回のお話は、むしろ次に繋がるお話でもあると思います。ここで終わるなんてことないよね?期待して待ってる。
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