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[犬村小六] とある飛空士への恋歌(2)

そんなことがあってたまるもんか。
いくら神さまが残酷でも、なにも悪いことをしていないわたしに、そんな酷い仕打ちをなさるはずがない。
いくら神さまが残酷でも — そんなふうに人の運命を意味なく弄んだりはしない。

空の果てを探す帰る保証のない旅に、飛空士を目指す少年少女が乗り込んで……元皇子にして革命によりすべてを失ったカルエルと革命の旗印となった少女・ニナの出会いが見せる愛憎劇の第二弾。今回は、空飛ぶ島イスラで、カルエルたちの新生活が始まるお話です。

初めての学校生活って、不安もあるけど、それ以上に希望に満ちあふれていますよね。わくわくする様子や、友達ができていく過程など、微笑ましいです。カルエルひとりだったら、ぶっちゃけ仲間は得られなかったろうけれど、アリエルとの漫才のおかげで親しまれていくから楽しいです。この兄妹のいちゃいちゃっぷりはたまりませんね。

とはいえ、カルエルが気にかけていたのはクレアで、クレアもまたカルエルを気にして。
普段カルエルは無愛想だけど、どこか天然な女たらしっぷりを見せてましたけど、クレアの前ではガチガチになり、見栄を張ろうとして失敗したり、会話が続かなかったりと、ヘタれ満載でしたが、それでもクレアは良かったんだろうなあ。
空を飛び風を感じ、時に恐怖を味わうこともあったけど、すべてを吹き飛ばすほどの青い空と青い海、満天の星空に感動して。
初々しい二人の様子には、アリエルには悪いけど、うまくいってほしいと願いたくなるものがありました。。

そんな楽しい毎日が、たったひとつの「噂」から亀裂が見えてくるからやるせない。

ああ、これはなんと切ないお話なんだろう。クレアに降り懸かる出来事を思うと、思わず神への恨み言を呟いてしまう。
幼い頃はその不思議な力から、忌み嫌われ、あるいは崇められて孤独を味わい、憎しみと死を目の当たりにして、心を閉ざしていくあたりが、とてもやりきれない。
ようやく掴んだ、掴みかけた温かさすら奪われそうになる彼女を思うと、心が痛くて仕方なかったです。

まだカルエルは気づいていないけど、どうなるんだろう。たぶん、気づいたら関係は崩れるだろうから……ってときに、なんだか周辺が騒がしくなってきましたね。身分を隠しているクレアが、正装するようになると、正体がバレる危険性が高くなるだけに、この騒ぎがどうなっていくのか気になるところ。

とある飛空士への恋歌 2 (ガガガ文庫 い) - 犬村 小六

とある飛空士への恋歌 2 (ガガガ文庫 い)
犬村 小六

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