ふっと微笑む。眼鏡を指で押し上げ、呟いた。
いつもの決め台詞を。
「エルシィ」
まるで何事もないかのように。
「エンディングが見えたぞ」
さらりと。
女の子の心に入り込んだ「駆け魂」を捕獲には、心の隙間を埋めてあげなければいけない。悪魔の娘エルシィを相棒とした「落とし神」の異名を持つギャルゲーマスターの桂馬が、現実の女の子を攻略をしていくお話です。
マンガ版を読んでいたこともあるんでしょうけれど、ふたりのやりとりを読んでいると、自然と頭の中でマンガ化されていくなあ。無防備なエルシィにドキッとする桂馬とか、桂馬を尊敬するように見つめるエルシィの様子とか、とてもよかったです。
で、今回攻略する女の子は、天使と見間違うかのような容姿と、ちょっと電波な雰囲気を持つ子で、いまいちしっくりこないまま、日が経つ内に、もうひとり駆け魂を持つ女の子が……みたいな展開に。
駆け魂を捕獲するためだけに、女の子を恋に落とすというのは、ある意味アレなわけですが、そこに嫌悪感を抱かないのは、女の子を真剣に理解しようとしてるからなんですよね。ゲームの攻略手順と言いながら、わずかなシグナルをキャッチして、悩みを解決していく過程は、終わった後、記憶を失うことなかったら、みんな本気で惚れること間違いなんじゃないかしら。
今回も二重性格のところから攻略していった彼女の悩みを支えてあげた桂馬の言葉がとてもよかった。
反面、二人の女の子を同時に攻略するにはページが物足りなかったところもありました。最悪のところからの逆転劇ではあるんだけど、片方の女の子に対しては、内面からいろいろ見えたのに、もうひとりは……ちょっと物足りなかったかな。
そのあたり少し残念ではありましたけど、原作同様おもしろかったです。
神のみぞ知るセカイ―神と悪魔と天使 (ガガガ文庫 あ 4-1)
有沢 まみず 若木 民喜
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