ただ、神様との約束に頼るばかりじゃなくて。
こうして、伊緒を笑顔にさせられるのと同じように。
自分の力で、なんとかしなくちゃいけない。
大切なものを、大切なままで。
変わらないものと信じて、ずっと大切にしていきたいから。
七夕に生まれ、共に育った五人の子供たち。いつまでも友情をと思っていたのに、いつしか特別な感情を抱いて……という切なき夏の物語。
これは面白かった!
湊、橙、伊尾、あかり、鈴。男二人、女三人の幼なじみ模様は、とても可愛くて、そのときの楽しい思い出があるから、語り手である湊は、いつまでも、と願ってしまうんだろうなあ。読んでいるときに、花ゆめの「キラメキ銀河町商店街」を思い出したのは僕だけじゃないはず。
いつまでもこのままで。その思いは皆にもあったと思うけど、「友達」では我慢できなくなってくるのは……なあ。
壊したくないから嘘をつき、大切だから我慢をして。
今まで自覚していなかった思いに気づいてしまい、無意識のうちに視線を走らせてしまうところに、胸がきゅんとなってしまいました。
久しぶりに皆でいくお祭り模様も、ふとした仕草にドキっとするものの、祭りの雰囲気に入り込めば、昔が戻ってきたような感じで、楽しくて嬉しくて。こういう気持ちはわかるけれど、それだけに、終わりが近づくにつれて寂しさが募るんですよね……。
そこへさらにやりきれない事実が待ち受けているから、湊からしたら、それこそ世界が終わってしまうような衝撃を受けたと思うけど、最後まであきらめなかった姿と、彼に引っ張られて皆が動いていくところが、とても良かったです。
叶った願いの代償は大きかったかもしれないけれど、大切だという思いが伝わってくる涙に、涙させられました。
とても良かった。
七夕ペンタゴンは恋にむかない (ガガガ文庫 い 1-3)
壱月 龍一
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