最近、奇妙な品が出回っている ― そんな知らせを受けて、調停事務所から渋々里へと足を運んだわたしは、本当に奇妙なものばかりを回収することになった。外見に変わったことはないのに、履くと中に水がたまっていく長靴や、引いた線が動きだすパステルなど、何に使うのかわからない道具をあれこれ試していたら、ひょんなことから計量スプーンを自分の頭に突き刺しちゃって、見る見る背が縮んでいき…
衰退した旧人類となった人間と、次の「人類」である妖精さんの交流を描くお話の第二段。今回は、妖精さんの意味不明な道具のおかげで、妖精サイズになっちゃった「わたし」の騒動「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」と、現場に復帰するという助手さんを迎えにいったら、時間のハザマに囚われる「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」の二編が収録されています。
あー、なんて愛らしいんだろう。履いて歩くと中に水が溜まる長靴や予備の雲など、とんでもない技術力をまったく持って役に立たない方向へ使ってる妖精さんの道具に、思わず癒されてしまいますが、それよりも何よりも、妖精サイズになってしまった「わたし」の冒険が、可愛くて可愛くて。
頭では慎重な行動を考えているのに、体は「やー」とばかりに特攻してくれちゃったり、ハムスターとのふれあいは、愛らしさと微笑ましさいっぱい。もう読んでてニヤニヤがとまらないんですが、そういった微笑ましさだけでなく、普段、言葉を交わすことのできない植物の思いが伝わってくるようなところでは、清々しい思いにさせられるばかりでした。いやあ、いいなあ、こういう描写。
途中からちょっと切ないお話にもなっていったんですけど、ひとまずホッとした「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」でした。
「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」は、お出迎えに向かったら、延々と同じことを繰り返すことになってしまったループもの。同じことの繰り返しながら、ちょっとずつ違ったものが見えてくるのは、面白くもあり、ちょっと退屈でもあり。あ、でも、今までになかった恋愛要素が見れたのは、嬉しかったなあ。人見知りなので、あんまそういう話にはいかないと思ってたので。ま、それでもやっぱり、妖精さんとののんびりしたやり取りのほうが素敵ですけど。
バナナのお約束に、にんまりなお話でしたね。
あー、楽しかった。雰囲気で魅せつつ、楽しませてくれるお話って早々ないですよね。いつまでも続いてほしい、そんな物語です。オススメ!!!
人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫 た 1-2)
田中 ロミオ
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