先日の事件も落ち着き、調布新町では「星夕祭」が行われることになった。活気に満ち溢れる町の中、タマやユーキたちも、祭りを見て回ることができた。浴衣姿のユーキに、タマがいつもと違った感情を呼び起こされていたとき、二人の前に現れたのは、鬼道衆たちだった。幻戯を用いてユーキを捕縛することを目的とした彼らは、調布新町を狙う白河コロニーの面々で……
世界汚染後を生き延びた人たちが作り上げたコロニーのひとつ調布新町で、特進種と呼ばれる進化学的変化を遂げたユーキとタマ、その仲間たちが、他のコロニーとの衝突を切り抜けていくお話の第二弾です。今回は、ユーキの過去のお話と、白河コロニーとの衝突寸前までのお話が交互に描かれています。戦線が開かれようとする雰囲気が少しずつ高まってきてるところで終わるので、ああ、気になるという感じ。
それにしても、タマとユーキの関係って、あんなバカっぽかったっけ?気になる人の気を引くための行動が、小学生か!とツッコミたくなるぐらい稚拙な悪口のやり取りで、正直、どうかと思ったけど、だんだん笑えるようになってくるから不思議。タマの前だと意地を張るけれど、ひとりになったとき、あるいは他の人に指摘されたときのユーキの照れっぷりが可愛いからかも。普段は、口げんかばっかりし合っている二人が、敵から逃れるために、一時的に狭い空間に隠れたときのあの空気がたまらん。
無表情ながら、生温かくふたりを見守る忍びな静さんが素敵でした。
まあ、本編もさることながら、ユーキの過去の話が、印象深かったですね。両親を殺した憎き敵の元で、天子候補生として強制的に腕を磨かされる幼い頃の日々は、読んでいるだけで辛いものがあります。それでも、心が挫かれなかったのは、同じ境遇の仲間がいたからというところに、温かくなるものを感じます。とはいえ、あの別れ方を見ると……。
今、彼らはどういう境遇にあるのか。どういう立場で、彼女の前に出てくるのか、大いに気になるところです。
どうやら次作では、160ページを超える戦闘シーンがあるとのことなので、おそらくは調布新町と白河の戦いに、何らかの決着がついていることでしょう。楽しみですね。
レヴィアタンの恋人 2 (2) (ガガガ文庫 い 2-2) (ガガガ文庫 い 2-2)
犬村 小六
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