忍者というとマンガが時代劇の中では、黒ずくめで人知れず汚れた仕事を請け負うダークなイメージがあるけれど、実際の任じゃなそんなのとは違う。政治家や企業の不正を暴いたり、レスキュー隊の一員だったりと、目にする機会は少ないけれど、その活躍っぷりはニュースや新聞でよく見かける。そんな忍者が、それも本場、美姫尼(びきに)の里のビキニンジャが、我が家にホームステイならぬ忍者ステイとしてやってくるという。浮かれ気味の父さんと一緒に駅へ迎えにいったら、目の前にビキニ姿の女の子が現れて……
忍者という存在が、一般人にも認知されている現代を舞台にして、美姫尼流忍術、免許皆伝を手にした女忍者の舞岳ゆりかが、母親を探すという忍務と一般常識を学ぶために、美姫尼(びきに)の里を離れて、八戸刈家にホームステイならぬ忍者ステイして……というお話です。
kanadaiさんの感想に引かれて手に取りましたが、ああ、面白い。ビキニを着ている忍者だからビキニンジャとか、忍者は国家資格だよとかいう設定に、なんじゃそりゃ!と思ったりしましたが、いやいやどうして、萌え話どころか、熱血バトルな燃えるお話じゃないですか。
特に里から出てきたばかりのゆりかを狙って、宇須市にもともといた忍者・庵と「シノビファイト」というルールに則ったバトルをしたときのシーンはすごかった。お互い相手の実力を認め合い、時に相手の一撃に死を感じながらも、一歩も引かないところには、まさに拳で語り合うものを感じましたよ。ただの忍者から、ひとつ成長というか覚醒していく、ゆりかの姿にもゾクゾクさせられます。
そんなバトルもいいですが、それだけじゃなく、ステイ先の家族との交流もしっかり描かれるから素晴らしいんですよね。素直な良い子だけど、忍者の里の生活しか知らないゆりかと八戸刈家の間には、どうしてもギャップが生まれてしまうんですが、何とかしたいと努力するお母さんの姿勢は、厳しくとも優しいものが見えて、なんかあったかい。
基本なあなあなお父さんも、時にいい味見せてくれるし、小学六年生の祐之介は、語り手にもなるんですが、突然きたお姉さん(家の中だとビキニになってる!)にドギマギしつつ、そういう視線だけじゃなく、何か力になりたいと頑張って距離を縮めていくところとか、すっごい良かったです。
そういえば、祐之介のクラスメイトの安堂さんが、何気に祐之介を意識してたけど、さて、このあたりはどうなるのかしら。うふふ。
ともあれ、忍務の話から、おばさまとの間にギクシャクしたものが生まれて、そこで母親探しのキーになるかもしれない案件から、奉納祭でバトルロワイヤルなシノビファイトが始まるんですが、このあたりはお約束であっても、家族の温かさにやられましたね。支えになってくれる人がいるというのは、どれほど力になるかわかります。
おばさまの言葉が、祐之介の頑張りが、そして、ビキニンジャの力を見せてくれたゆりかが、格好よかったです。ガッツポーズイラストが素敵過ぎる。
戦いもさることながら、謎についても興味深いものがありましたね。さりげなく誘導されてる気がしないでもないですが、より深くなってる気もします。これは続きが大いに楽しみなシリーズですね。
わりとオススメ。
ビキニンジャ・ドキッ 1 (1)
瑞浪 片奈 チームビキニンジャ わんぱく
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