父が疾走してから七年が経ち、法的に死亡が認められた。中学二年生のにことしては、妹の沙梨には苦労をかけたくないと思っていた最中、父の部屋で綺麗な指輪を見つけた。こんなものに興味は無いわと言い訳しつつ、こっそり嵌めてみたら、突然、自分を神だという小学生ぐらいの美少女が現れて「契ろう」と言い出し……
苦労性の中学生にこの前に、指輪を嵌めた者と契ること以外の記憶をすっかり失ってしまった神さまがあらわれて、というお話なんですが、おとなしくも天然な妹とファンキーな祖父という家族と、幼い頃から神さまの面倒を見てきたという「真界」の者たちがいるおかげで、妙に軽くハイテンションなやり取りが続いて、うーんと思うばかり。
何も知らない神様との契る/契らない騒動や、真界の人である年増なクラウゼとのビッチなやり取りのノリは、笑えなかった僕からすると、きついものがあります。
これはちょっと合わないかもなーと思っていたんですが、出会いから始まる騒動の波が一段落したとき、おとなしい妹の沙梨が、ぽつりと「楽しかった」と言ったシーンでやられました。しんみりと、それでいて心に温かいものが残って、ああ、いいなと思った次第。
ツッコミ力こそあれど、沙梨とは裏腹に、騒ぐ事に寂しさを覚えたり、笑顔も作れなかったりしていたにこの様子には、今までの苦労を思わせるものがありました。ふと見せる内面に、ズキっとくるものがありますが、学校へ行くという神さまの面倒をみることによって、今まで抑えていた気持ちが見えてくるのは良かったですね。
始めはうざいと思っていた神さまを、いつしか好ましく思っていく心情が伝わってきました。
嫉妬したり、今までに無い怒りを覚えたりと、自分の心に振り回されることになってしまい、ダメだと思いながらも、神さまへ自分の感情をぶつけてしまうところには、後悔ばかりが浮かんでいましたが、そのおかげで、今までよりも、より深く相手を思うことができるという展開が良かったです。
ありふれていても、それを口にすることで特別になっていく言葉と、最後に見せてくれたにこの笑顔が素敵でした。
読み始めたときはどうかと思ったけど、どうしてどうして面白かったです。神さまとの仲だけでなく、父のおかげで敬遠していた男の子に対しても、少し心を開いたようですし、続きがあるとしたら、学園ものとしての面白さも見えてくるかな?と思ったり。
にこは神様に○○される?
荒川 工
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