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[灰原とう] イメイザーの美術

おねーちゃんなんだから弟の面倒ぐらいみなさいと、お母さんに言われることが大嫌いな真深は、どうせ弟の面倒を見るなら自分にも楽しみがあったほうがいいと、以前から気になっていたお絵かき教室『アトリエファミーユ』に弟と訪れた。子供たちがのびのびと絵を書く教室で、真深は、砂夜と出会った。子どもはみな魔法使いなのだと言う、まるで魔女のような不思議な少女に……

大人とは違った発想をする子供の描く絵は、時も場所も超える魔法のようだ、ということで、心に闇を持った子供の描く絵が、世界に影響を与えて……というお話。

一編目の「天使と魔女」は良かったなあ。お絵かき教室で、砂夜と出会った真深が、新しい発見を繰り返して、砂夜の意外な一面を知って、親友ともいうべき間柄になっていくところがいいですね。子どもらしい型にはまらない発想を引っ張りあげていくところに魅了されます。なるほど、魔女ですね。

逆に子どもだからこその残酷さもあって、弟の祐が生み出した世界は……ということを知らされると、さすがにグサっときますね。でも、失ってはじめて自分はおねーちゃんなんだと自覚するところは、オーソドックスながら、良かったですね。嫌悪を抱く対象であったとしても、近づいていこうとする様もまた、子どもらしい素直さでにっこり。オチに思わずクスクス。

ただ、それ以外の話は、どうも微妙。特に、三編目の「イメイサーの美術」は、なんていうか、言葉良くないかもしれないけれど、おとなの視点で見た子供の世界って感じがして、押し付けがましいものを感じてしまいましたし。うーん、僕の心が黒すぎるのかしら。戦う話とかにせず、もっと、砂夜と真深の話が読みたかったです。

いわゆるハートフルなお話なのかなと思って読み始めたので、期待していた方面とはちょっと違ったから、ノリきれなかったのかしら。良い話なのに、感情移入できなかったのが、我ながら不思議なんですが、そのあたりは、相性なのかもしれません。いいシーンも多いだけに残念だなあ。

イメイザーの美術 - 灰原 とう

イメイザーの美術
灰原 とう

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