ギャングの子どもが一人死んだ。ただそれだけのことなのに、ノヴェラの心は揺れていた。人形が人の死に動揺することなど、あるのだろうか。ノヴェラの迷いを感じながら、アレッシオはひとり行動を開始していた。何かとボスの顔色を気にする自分に嫌気が差しながら……
リッカルドの死をきっかけにして、ノヴェラやアレッシオたちの心境に変化が出始めてきたお話です。特にノヴェラの心の動きはよくわかりますね。いまだに自分は人間に近づいているのかと迷ったりしていましたが、復讐を望み、リッカルドの無念を晴らそうとする姿は、もはや人間にしかみえませんでした。このあたりの心の動きは、ほんと良かったなあ。
そんな彼を見ながら、「弾丸」の子どもたちを抑え、そのくせ誰よりも熱くなっているアレッシオの感情も、心揺らされるものがあります。古き良きマフィアの理念を貫こうとする姿は、とても不器用なものを感じるんだけど、好きだなあこういう人。
姉を連想させるフォーラとのやり取りは、自身の理念に背くものかもしれませんが、逆にそれでふっきれたような気もするし、逆に怪しい方面に足を踏み入れた気もするし……このあたりのはっきりしないもどかしさが、何ともいえない。
ノヴェラの秘密や「仮面の男」の目的が知れて、それでも、ひょっとしたら、みんなで新たな一歩を……とか思ってた僕が愚かでした。ここは裏の世界のお話に、不安以外の言葉なんてなかったです。
前作のラストで感じていた危険な足音が、まさかこっち側に駆け寄ってくるとは思いませんでした。あまりにもきつい展開に、心が痛くなるなんてもんじゃないですね。自分の楽譜に刻むのは「弾丸」の物語と決意したノヴェラの覚悟にグッとさせられました。
もはや安寧の地などないような気がしますが、はたしてアレッシオとフォーラは、今後どうなるんだろう。「食堂」の様子も、例の男がどうからんでくるのかとかも気になりますね。
月光のカルネヴァーレ 白銀のカリアティード 2
J・さいろー/ニトロプラス
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