米国特殊部隊SWORDの訓練生として、最年少で入隊を許可されたベクシルは、卓越した任務遂行能力を持っていたが、鼻っ柱の強さも有名で、いつしか「教官殺しのベクシル」と異名つけられるようになっていた。ある日、訓練後にカフェでレポートをまとめていた時、無国籍人間―日本人たち―と思われる会話を耳にした。しかもその男は、ベクシルがSWORDを目指した最大の理由『見えざる焔』を口にして……
バイオテクノロジーの発展によって、ロボット産業に革命がもたされ、アンドロイドや人間に延命効果をもたらすパーツなどのプロジェクトが進む中、そういったものを規制しようという国際協定を不服とした日本が、国連を脱退し、情報鎖国に踏み切ったという2067年から3年経った頃のお話。
以前、ガガガのイベントで、同名の映画の映像を見て興味を持ったので手にとって見ました。映画は2077年のお話になるらしいので、それよりも7年前のお話ですね。SWORD訓練生のベクシルが、父親の敵である爆弾魔『見えざる焔』を追うという展開です。
表紙イラスト見たら、ベクシルはクールな女の子なんだろうなと思っていたんですが、ぜんぜん違いました。優秀だけど、鼻持ちならないベクシルに、始めは嫌気が差しましたね。いくら優秀とはいえ、まだ訓練生なので、自分の力が及ばないところを幾度となく実感するんですが、それでも、大きな傷を追った過去を盾にして、自分が自分がと前へ行く姿は、甘えと痛々しさを感じる。
普通であれば、こんな独断専行な行動は許されないと思うんですが、そのあたりをうまく抑えた教官のレオンがよかったです。始めは頭の固い組織屋だと感じていたベクシルが、だんだんと彼を信頼していくところが、いい感じに伝わってきましたね。
今まで自分だけで行動してきたベクシルが、目的のためなら、何をやってもという甘えから抜け出すきっかけをつくり、仲間とか信頼の大切さを学んでいくところは、良かったです。
話としては、非常にストレートなので、特別意表を突かれるようなものはありませんでしたが、スピード感あふれる展開と戦いは面白かったです。個人的には、レオンだけでなく、訓練生仲間たちとの交流もあってくれたらと思ったけど。特にローラとのやり取りは、もっと踏み込んだものを見たかったです。そのあたりちょっと残念。
ベクシルについては、これからの成長が楽しみだなあってところで終わっているので、七年後の2077年に、SWORDが日本へ突入するという映画「ベクシル」はちょっと楽しみかもしれない。映画館かDVDかはわかりませんが、見ることにはなりそう。
ベクシル~my winding road~
谷崎 央佳/「ベクシル」製作委員会
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