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[J・さいろー] 月光のカルネヴァーレ 白銀のカリアティード 1

今度の仕事が成功すれば、ファミリーに入れるかもしれない。フォーラという美しき自動機械人形の馴れの果てを、古物商から強奪することに成功したアレッシオだが、円筒に異常があるようで、フォーラの機能は病んでいるようだった。
マフィアのボスである「仮面の男」は、存分に楽しんだ後、フォーラと彼女の兄のノヴェラを、アレッシオの管理する少年たちの集団「弾丸」の一員とするよう指示して……

精巧な技術と錬金術によって生み出された人間と瓜二つの自動機械人形の発祥の地であるベルモントで、マフィアのファミリーへ入ることを望む男の元へ、美しき機械人形の兄妹が預けられて、というお話です。

ゲームのノベライズということで、ゲームを知らない人が読んでも面白くないかなと手を出さなかったんですが、Shamrockさんの評価が高く、ゲーム本編よりも前の時代の話だから、本編を知らなくても楽しめるらしいので、手にとって見ました。

初っ端のフォーラの写真の描写が異常にグロテスクだったので、どんな気持ちわるい話になるのかと思ったら、いやいやどうして面白い。機械人形に心はあるのか、同年代の少年・少女と共に過ごす事で、自動機械人形がどう変わっていくのかとか、そういったことに焦点が当たってると言っていいかな。機械人形であるノヴェラが感情について悩みながら考えるところが印象的。

アレッシオのマフィアとしての流儀を貫く姿には、憧れみたいなものを感じますが、どこか人の良さを感じるので、理想に潰されてしまうんじゃないかと心配。逆に、理想から離れていきそうなところも、ありましたね。常に一歩引いた立場から「弾丸」たちと接していたアレッシオが、突如としてフォーラに引きずられていくところは、何とも言えない緊張感がありました。
壊れたフォーラの記憶に何らかの鍵があるようなので、このあたりとても気になります。

話としては何ひとつ終わっていないせいか、特別盛り上がるような展開でもないんですが、不安に誘われたり、悲しみに襲われたり、吐き気を催すほど嫌悪感を抱いたりと、心を揺さぶられるんですから、すごいですよね。これほど暗く淫靡な感じがするのに、どこか透き通っているような印象を受けるのか不思議です。こういう雰囲気を作り上げる様は見事だなあ。

どうやら、次の巻あたりでアレッシオの周囲は騒動が発生しそうですね。はたして、機械人形たちは、アレッシオは、どういう運命を迎えるのか。とても楽しみです。

月光のカルネヴァーレ~白銀のカリアティード 1 (1) - J・さいろー; ニトロプラス

月光のカルネヴァーレ~白銀のカリアティード 1 (1)
J・さいろー ニトロプラス

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