強引な手段で莫大な利益を手にしているジンバテック株式会社のワンマン社長・陣場が、
無職の人々や失業者たちに生活費を支給し、生活を営むめるような福祉施設を作った。
萩原ジンバテック特別行政地帯という名称の福祉施設は、萩原県 ― 四十八番目の都道府県
と通称されるまでになった。
だが、そこで、働く必要のない場所で暮らすニートな人々が襲われる悪夢。
執拗な炎に焼かれる夢。
金縛りにあい、不気味な輩が押し寄せてくる夢。
いつしか、人々は不安を抱えるようになった。
イラクから帰国したばかりの岬美由紀は、ひょんなことから住民の不審を知る事になった。
それを知らせたのは萩原県の住民。だが、岬の元へ住民を連れてきたのは、かつて美由紀の両親が
事故で命を奪った相手の娘、一ノ瀬恵梨香だった……。
相変わらず突拍子もない出だし。ありえない現実。だがそれが現実。
なぜゆえに住民は悪夢を見るのか。
そこへ絡んでくるのは歴史を裏で動かすメフィスト・コンサルティングと陣場。
もう、これでもかと入り組んでくる謎。
当然のごとく突っ走る岬。普通なら何度処罰受けるか、と心配しちゃうけれど、ここまでシリーズを
読んでる人なら「またかよ」と思ってしまうのでは。
とはいえ、そのスピード感は相変わらず。息をつく暇もない。
ありえない出来事が、見る見る解かれ、現実へ移り変わっていく手腕はさすがです。
千里眼は真実を見逃さない。
そして、もうひとつの物語 ― 美由紀と恵梨香の確執。
千里眼と呼ばれるほどの観察力を持ってしても読みきれない思い。
ひょっとしたら、このじれったさは千里眼シリーズの要かもしれない。
震えるほどの怒りと震えるほどの感動を味あわせてくれる。
上下巻でも一気読みさせてくれる圧倒的スピード感。
「千里眼」こと岬美由紀と「蒼い瞳とニュアージュ」のヒロイン一ノ瀬恵梨香が繰り広げる物語。
ザッツ、エンタテインメント!
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松岡圭祐
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- 一ノ瀬恵里香と岬美由紀の葛藤が良く描かれており、楽しめました。







