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[清水マリコ] 日曜日のアイスクリームが溶けるまで

テレビで競馬がやっているのを見て、幼いころ、父に競馬場へ連れて行かれたとき、近くの公園で遊んだことを思い出したわたしは、ふとその公園を訪れてみようと思った。
久しぶりに訪れた競馬場を、思い出に浸りながら回り、最後に公園を訪れたら、十六年前、自分が好意を抱いた男の子が、当時の姿のまま、そこにいて……

付き合ってる人はいて、大きな不満は無いけれど、ちょっとした澱が溜まっていたときに、初恋の相手と同じ姿をした男の子に出会って、というお話です。

小さなころ、自分で作った空想のお話って、突拍子が無くて、でも楽しいですよね。そんな描写がたまに気恥ずかしく思うのは、自分も同じようなことをやっていたからでしょうか。
初恋の人と出会って、10歳のころの気持ちを思い出した26歳の京子の、ふと思い出すような懐かしい気持ちとかに共感してしまいますね。雰囲気に魅了されてしまいました。

16年前と同じ姿をしている男の子に出会って、始めはほんのちょっと違和感を覚えたのに、だんだんと昔を思い出して、男の子会いたいと思うところは、恋をしているようで愛しくもあり、でも現実と幻想が重なっていくあたりには、うっすらとした怖さを感じたりもしますね。ふたつの間の境界線の消し方がうまいよなあ。

かつての自分の気持ちを思い出すことで、少しずつ自分の胸の内を言えるようになったことは、わがままとはまた別のものだと思いますが、今ある状況を壊すことになるのは、切ないものがありますね。悪いわけではない、ただちょっと違うだけという気持ちがすごいわかる。たぶん、僕は京子と似たような性格をしているんだろうなあと自己分析してみたり。

初恋の男の子のあだ名がアイス君というのが、タイトルをあらわしてて、アイスクリームはいつか溶けるのと同じように、思い出に浸る時間もいつか終わっていく。
感傷的なようで、それでいて何か温かい。そんな気持ちになりました。

もうちょっとファンタジー色が弱かったらなあと思わなくもないですが、最後まで余韻に浸れたので、個人的には満足です。

日曜日のアイスクリームが溶けるまで - 清水 マリコ

日曜日のアイスクリームが溶けるまで
清水 マリコ

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