「オッちゃん!こ、これはダメだ、いろんな意味でダメだ!ってか嫌だ、やめてくれ!もう負けよう、負けでいいから!負けでいいから、頼む、やめてくれぇえええぇ!!」
「アホぬかせぇ!ここまでやって今さら漢が辞められるわけがあらへんやろ!それより体仰け反らせぇ!さぁ勝ちにイクで、二人でイクんや!ラストスパートや!!」
「何かもう言葉がアッチのアレにしか聞こえないんだよぉーーーーーーーーーー!!」
閉店時間間際のスーパーで繰り広げられる熱き戦い、半額弁当争奪戦を描くシリーズの第六弾。今回は、文化祭や時代劇かかったお話、既刊本の後日談などが収録されている短編集です。
面白かったー。なんといっても一編目の「鳥になった男たち」が最高です。
著莪の高校で開催された文化祭に行くことになり、槍水先輩、白粉、著莪、さらには禊萩真希乃や淡雪えりと一緒に回るという、両手に花どころか、女だらけの文化祭を味わうとか、そんなん佐藤じゃないと思いつつ、ニヤニヤしてしまうのは、先輩がとても可愛かったからです。部費のためにコスプレさせられて、恥ずかしがってるとか、ヤバすぎるだろう……。普段格好いい先輩が、生徒会メンバーたちにいいようにやられる様が楽しかった。
でもまあ、普通の文化祭らしいのはここまでで、変形の弁当争奪戦が始まってからの展開は……やばかった。やばすぎです、何あのガチムチ全開で、汗が飛び散り、むにゅっとした感触(何かは聞くな)が伝わてきそうな戦いは!
弁当のために立ち上がる姿は格好よく、目的のために敵対視していたもの同士が手を組む様には悪友の熱さがあったけれど、怒涛の展開に腹筋が崩壊するほど笑わせてもらいました。
一編目は読み応えあるやや長めの短篇で、二編目の「首なしの白き巨人」は変則な時代劇っぽいお話、三編目以降は、後日談が中心となっていました。先輩にさり気なく誕生日であることを知らせたい「佐藤洋、十六歳の誕生日」や、「著莪あやめのお見舞い」での男女を感じさせない二人のじゃれ合いにはニヤニヤさせられましたが、一番好きなのは「名もなき狼たち」です。坊主、顎鬚、茶髪の三人の、仲間であり敵である、戦友たちのワンエピソードは、もっと読みたかった。いつかこの人たちの活躍が見られるようなお話が読みたいですね。
ベン・トー 5.5 箸休め~燃えよ狼~ (集英社スーパーダッシュ文庫) (ベン・トーシリーズ)
アサウラ
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