「思い出せなんことが怖い。また、お前のことを忘れるんじゃないかってな」
「今度は……忘れさせないわよ。だって、ずっと一緒にいるんだもの。あんたが忘れそうになっても、引っぱたいて思い出させてあげるわ!」
高校生の大神天斗の生活は、十六歳の誕生日を迎えたときに一変した。彼には裏社会の王となる資格があったのだ。話を持ってきたスク水姿のエージェント燐と、天斗のパートナーとなる頼奈に振り回されながら、100年に一度の王位継承レースに挑む男の子のお話です。
ラブコメ模様が楽しい。普段は勝気で、お祖父様がいうから仕方なくパートナーやってますと言う頼奈は、とても良いツンデレさんで、構って欲しいのが見え見えなのに、言葉をそのまま受け取る天斗のおかげで、ますますツンツンしちゃうんだけど、それはともかく、彼女には幼い頃からのトラウマ(みたいなもの)のおかげで、スイッチが入っちゃうと、ドMモードが全開になるからやばいんです。ハンバーグをこねてるだけで、興奮しちゃうとかどんだけなんだ。
可愛いんだけど、ちょっと変態な彼女に、普段はクールな天斗が慌てる様が面白い。
一方、エージェントの燐は、レースの模様を伝えると共に、二人の仲を発展させようと頑張るんですが、頑張りすぎて天斗に好意を寄せてしまうから、ドキドキになってきます。正直、レースなんてどうでもよくなった僕がいますよ。この三人の関係は、ホント好きだなあ。
で、レース。与えられたミッションをクリアすることでポイントを貯めていき、ポイントがゼロになったら終りという戦いで、今回相手となったアンジェラさんは、まあ、なんていうか、典型的な小悪党っぷりを見せてくれていたけれど、対戦を重ねていくごとに、だんだん可愛くなってくるから不思議です。
最後にまさかこんな展開が待ち受けてるとは思わなかったけれど、正直バトルものとしては物足りないと思いました。このあたり、もうちょっとなにかあったら嬉しいんだけど……
王ディション! 候補者は専門的なトレーニングを受けています。 (集英社スーパーダッシュ文庫) (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 3-21)
淺沼 広太
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