「この羅濠、逃げも隠れもいたしません。その秘策、存分に試してみなさい!」
「わかってて、こっちの好きにさせるのかよ?」
「当然です。わたくしのような武の大家が少壮の若輩をなりふり構わず打ち負かすなど、あってはならないこと。これは武林の慣い、遠慮は無用です」
高校生の草薙護堂が、神を殺し、神の権能を得た「カンピオーネ」になり、彼の愛人を自称する魔術師エリカによって、神々との騒動に巻き込まれていくシリーズの第六弾。今回は、世界を週末に導きかねない化け物、不敗のカンピオーネと名高い武の至極・羅豪教主が戦いを求めて、まつろわぬ神を呼び出そうとするお話です。
万里谷祐里の妹ひかりが登場して、いつもどおりのキャッキャなやり取りと、人懐っこいひかりの積極的な感じにニヤニヤしつつ、巫女見習いであるひかりの力を必要とする、日光山にある西天宮を訪れる一行と、裏で動く羅濠たちの罠がどうなっていくのかドキドキしていたんですが、いやはやすごかった。権能のみならず、武侠の強さを知らされた次第です。
羅濠の弟子たる陸鷹化も、真正面からではエリカすら退けると聞いていたので、二百年生きてる師匠はどれほどのものかと思っていたけれど、いやー、強い。ほんと強い。ぶっちゃけ今まで出てきた神や王の中でもダントツなんじゃないかしら。圧倒的強さと、その武がみせる美しさは、反則的な力を誇る護堂をもってすら、互角に持っていくことができず。かろうじて相殺して、かろうじて生き延びて。じりじりと追い詰められる出口のない戦いに、どうするのかドキドキと興奮しまくり。
小技が聞かない護堂だけど、そこは他の人がサポートしてくれて。分断されながらも、ひとつの目的のために動く愛人たちの働きは、素晴らしいものがありましたね。「教授」はお約束ですが、それぞれが自分の立場を理解して、彼のために仲間のために立ち向かう。まったくもって格好いい人たちです。もちろん、その中でもひときわ目立つのはエリカでした。血を吐くような叫びをもって、王を降臨させた彼女の信頼と覚悟に、改めて惚れ惚れしちゃう。
まつろわぬ神と、ふたりのカンピオーネが一堂に会す時点で大興奮でしたけれど、その後の化け物たちの戦いっぷりも、すごいものでした。圧倒されながら、どう切り抜けるのか、ほんと熱いったらない。自棄になるのかと思いきやギリギリのところで冷静で、ああいう手を使うとはなあ。やってくれるぜ。そういえば、野球やってたんだっけ?こういった緩急のつけ方はさすがというべきか。
でもやってくれるといえば、お話の終わりですよね。まさかの引き!一応一区切りついてるとはいえ、やってくれたわ。このあと、よみがえった神とどのように立ち向かうのか、とても楽しみです。
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