「エリカ……絶対におまえを手放さない。だから、約束しろ」
ウルスラグナ第五の化身を掌握した護堂は、言霊を吐き出した。
「必ず俺のそばに……命がなくなろうと、世界が終わりを迎えようと、この世の神様全部とケンカすることになろうと、最後まで俺のそばにいると誓え」
高校生の草薙護堂が、神を殺し、神の権能を得た「カンピオーネ」になり、彼の愛人を自称する魔術師エリカによって、神々との騒動に巻き込まれていくシリーズの第五弾。今回は、護堂の妾の座を狙う姫巫女の清秋院恵那が、エリカを蹴落とすべく参戦してくるお話しです。
毎回ひとりずつ増えていく愛人たちですが、その中でも女王然として誰よりも上に立つエリカが本当に素晴らしい。万里谷裕理、リリアナ……妹の静花はアレだけど、騒がしい人たちを煽りつつまとめつつ、隣を譲ることのないエリカの手腕を見せつけられる始まりに、思わず惚れ惚れ。
でもそこをついてくるのが、当代随一の媛巫女だから面白くなってくる。正史編纂委員会だけでなく、日本には四つの氏族の争いがあって、何やら思惑がぶつかっているんですが、楽しければいいやと言わんばかりの恵那が、まさかあのエリカを追い詰めていくとは予想外でした。計算しながら巧み動くエリカならと思っていたけれど、天性のたくましさを用いて軽やかに我が道を行く恵那が、互角以上の実力を見せてくれるからワクワクしまくり。いやーやっぱ草薙の剣は強いわ。
戦いもさることながら、恵那が愛人やら何やら直接的な発言をしてくれるおかげで、他の女の子たちも動いてくれたのが面白かったです。なんせあの万里谷裕理が思いを……ああ、もう可愛いったら無いぞ。ツン状態を超えた彼女は、護堂のいいパートナーになりそう。
でも、裕理を立てつつ、ちゃんと上に来るエリカは素晴らしかった。護堂の初デート権利を悪辣に奪い取り、ちゃんと仲間を大切にして、なるほど一号さんとはかくあるべきかと思う次第です。まあ肝心のデートはアレでしたが、その分、「教授」でないキスも出来たし、良かったんじゃないかしらと思っておく。
今回はまつろわぬ神騒動はないのかしらと思っていたら、意外な形で戦うことになりましたが、決着はついたものの、むしろ次の話に繋がる形になるのかな。護堂からしたら迷惑な話ですが、また何かちょっかい出してくるのかしら。
カンピオーネ! 5 剣の巫女 (集英社スーパーダッシュ文庫)
丈月 城
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