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[海原零] 薔薇色にチェリースカ 5

異様なまでに熱い吐息と、負の情念に満ちた瞳で。
そう。こちらに伝えてくるのは愛情ではなく。
渾身の呪い―。

「エデナリーン・ヘラは、我が身可愛さに私を破滅させたのよ」

弱みを握られ、生徒と敵対する理事長の狗となった綺羅崎ヒロが、喋れるヘビにして人間へと変身する謎の美少女チェリースカと出会って……というお話の第五弾。ヒロとチェリースカの前に現れた女教師によって、ヒロはリバースサイドへと足を踏み入れて……、初恋の人との出会い、よみがえる記憶、すべてが明らかになるシリーズ最終巻です。

うーん、ちょっと消化不良かも。
前作のラストで怪しい動きをしてくれた校長の正体がわかってから、初恋の人が現れて、というあたりは、様々な裏を感じて、ワクワクしたんだけど、思わせぶりな描写の割りに、話が進まないというか、なんか、ノリが悪く感じたのは、詰め込みすぎだからなのかな。

リバースサイドとファーストサイドという関係が悲劇を生み、裏切りと駆け引きが繰り広げられるのは、悪くなかったんだけど、ヒロが彼女の思いに気づくのがちょっと早すぎた感があるかも。あれ、もうちょっとうまくやれば、ヒロに大ダメージ与えられたよねとか思ってしまうサド心があったりする。

でも、チェリースカを巡る争いの中で、チェリースカの記憶が戻ったことが、ヒロに対しての負い目となって繋がるあたり、意外性があって面白かったです。傷つきながら怯えながら、それでもヒロを、と思うところに、彼女の思いを感じました。

最後にヒロのもうひとつの秘密が見えて、それが結果としてギリギリのところからの生還を呼び寄せていくところとか、エピローグも良かっただけに、もうちょっとページをさいて、物語をつむいでほしかったなあ。

薔薇色にチェリースカ 5 (5) (集英社スーパーダッシュ文庫 か 6-16) - 海原 零

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