「チャンスをあげましょう」
「……チャンス?」
「簡単なことです」
世界一高いかもしれないアイスヒル様のプライドが、許すわけもない。
そう、あの敗北を。
「決闘を復活させます」
弱みを握られ、生徒と敵対する理事長の狗となった綺羅崎ヒロが、喋れるヘビにして人間へと変身する謎の美少女チェリースカと出会って……というお話の第四弾。今回は、ヒロの幼なじみである真希が、シシリー・アイスヒルの罠にハマってしまうお話です。
次から次へと展開が進むわ、危機一髪の連続だわで、どうなるのかとハラハラしましたけど、読み終わってみるとなんとももやもやするものが残ります。言葉悪いけど、行き当たりばったりばかりで、謎めいたところについては、ぜんぜん見えなかったからかなあ。次で最終巻らしいけど、いったいどうなっていくんだろう。
それにしても、シシリー・アイスヒルがこんな姑息な手を使ってくるとは思わなかったけど、決闘を申し込むあたり、自身のプライドを賭けた罠だったわけですね。シシリー・アイスヒルの地位やら何やらを優先する考え方は好きではありませんが、どんなときでも自分の誇りを貫こうとする姿は、小気味いいものがありました。
ヒロと共に閉ざされた空間に足を踏み入れたときでも、傲慢な態度を崩さないあたりには、チェリースカ同様、放っておけばいいのにと思ったけど、不安を隠せない様子に、ヒロのお人好しっぷりに反応を示し始めたあたりに、妙な気持ちを覚えました。さすがにデレることはないと思うけど……、それでも何か変わっていくのかしら。なんとも心情が捉えにくいのでもどかしい限り。
一方、罠にかけられた真希は、怯える様子こそあったものの、ヒロに危険が及ぶことを思ったら、逃げずに立ち向かうあたり、いい根性しています。ヒロ自身は、チェリースカに思いを寄せる……というか、傍にいてくれることに安心を覚えてるところがあるので、なかなか難しいかもしれませんが、頑張ってほしいところですね。
きな臭い動きをしている校長の真意や自由会会長ソフィーの動きなど、気になるものがあるだけに、次なる巻でどんな決着をつけるのか楽しみです。
薔薇色にチェリースカ 4 (4) (集英社スーパーダッシュ文庫 か 6-15)
海原 零
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