わたしは小学三年生だった。とっても小さくて。とっても子供で。何も知らなくて。
そしてちょっぴり嫌な、女の子だったとき。
わたし、天空寺なじみは。
ある男の子のことが、大嫌いだった。
缶に口をつけると(キスすると)少女化し、ピアスをひっぱると缶に戻るという「アキカン」たちと、そのオーナーたちが繰り広げるドタバタラブコメの第六弾。今回は短編集です。
- エールが飼い始めたカメの名前で悩む「エールとカメの商店街。」
- ボクサーを目指す塔堂がカバディに奮闘する「BLOWIN'」
- 魔女・揺花のイメージビデオ「マジカル☆ゆかりん」
- なじみとカケルの幼いころの出会いを描く「夏の帰り道。そして一万円のスルメ。」
- タイトルどおり「メロンの、とくにメロメエでもないだらだらした一日。」
いやあ、楽しかった!
無表情エールが、そこはかとなく見せてくれる感情や商店街の人たちに好かれてる様子が見えてくる「エールとカメの商店街。」から始まって、うきうき気分になったら、二編目でやられました。
カバディ大会のお話を描く「BLOWIN'」。別にカバディ自体は悪くないのに、あのクールな男が「カバディカバディ」とキャストしてる姿を想像すると、笑いが止まらなくなる。しかも、よりによって、大会でカケルと遭遇するんだから、そりゃ……ね。正体を隠すための必死さが、また笑いを誘うスパイラルは、まさに外読厳禁なお話でした。舞がちょっと可哀想だったけど、まあ、塔堂に罰は当たってるので許して差し上げましょう。
個人的に印象に残ってるお話は「夏の帰り道。そして一万円のスルメ。」ですね。社長令嬢ななじみが、田舎に転校して、毎日を苛つきながら過ごしていた小学生時代。おバカなカケルがちょっかい出していくうちに、はじめは頑なだったなじみの心が、だんだんと開いていって、いつしか笑顔を見せるようになったところは、ほんと良かった。こうやって、友達ができて、こうやって大切な人になっていったんだなあ。
それにしても、このころのなじみのツンデレっぷりは素敵すぎるものがある。
最後のメロン話も良かった。特に何があるってわけでもないんだけど、大掃除の模様とか、バイトする姿を見ていても、無理してないというか、家族の一員として、それでいて大切な人がいることの幸せみたいな空気が感じられて。
素直じゃないから言い出せないけど、でも行動にはしっかり移した年明け最初のキスにニヤリ。
あー、楽しかった。各キャラの別の顔が見えると、これからの本編がますます面白く感じるでしょうね。続きがとても楽しみです。
アキカン! 6缶めっ (6) (集英社スーパーダッシュ文庫 ら 1-7)
藍上 陸
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