「昔のセッちゃんは泣き虫さんなところはあったけど、僕をそんな死んだ魚のような目でシーイングすることは、そんなにはナッシングだったのにッ!?モア乙女だったさ。乙女チックがノンストップッ!!リメンバーだよねセッちゃん!あの輝けるバラ色のデイズをッ!!」
「バラ色のデイズってなんですか?まさか二人がその、……もしかして恋び」
「ストーーーーーーーーーーーーップ!千景ちゃんそこまでよ!」
ひかるにかけられた呪いを解くために、癒し天使のセラが空回りしながらも奔放するラブコメシリーズの第四弾。今回は、長編というよりは、短編集風味の一冊でしたね。
プロローグの進路相談で、三人がそれぞれ「将来なりたいもの」をあげていくところも、思わず、へにゃっと力が抜けてしまうものがありましたが、そんな力の抜け具合が、どの話にもあって、とても微笑ましく、とても温かかったです。収録されている物語は、以下の六つ。
- 福引で当たった銭湯に皆でいく「せんとう開始」
- 飼い犬しばの大冒険を描く「破壊神黙示録 ~冬休み増刊号~」
- クリスマスの家族パーティの模様を描く「思い出のクリスマス」
- 大掃除で皆が疲れてるとき、イデルがお買い物に向かう「はじめてのおつかい」
- 誰が一番縁起のいい初夢を見るかという勝負が意外な方向に向かう「初夢ランナウェイ」
- アルバイトしたいと言い出したイデルが、接客業にチャレンジする「働けイデルちゃん」
どれもこれも、優しさに包まれたお話ばかりで、とても良かったけど、個人的に好きな話は、「破壊神黙示録」と「はじめてのおつかい」かな。
普段から大きな事を言ってるしばだけど(もちろん、犬の言葉なので誰にも伝わってない)、実は態度ほどに傍若無人な心を持ってなくて、迷子な女の子の面倒を見てるうちに、自分が迷子だったことに気づいて、寂しくなっちゃうところとか、イデルを思うところとか、可愛いところもあって。でも素直じゃなくて。こんな素敵なツンデレ犬がいたら嬉しくなっちゃうよ。
「はじめてのおつかい」と「働けイデルちゃん」では、イデル中心のお話なんですが、カルマたち悪魔が、イデルに気づかれないよう手助けするところに、思わず笑ってしまう健気さを感じました。はじめは気づかないイデルだけど、だんだんと助けてくれる存在を感じて、感謝の気持ちをみせるところがとてもいいです。
カルマとしても、先が短いイデルの望みは叶えたいと思いながら、でもどうせ先が短いなら、バイトよりもひかるたちとすごす時間を持ったほうが、みたいな葛藤があって、ついついイデルに意地悪しちゃうんだけど、最後には、彼女の力になってあげるんだから、まったく損な役回りだ。
おかげでイデルの秘密は秘密でなくなってしまったけど、さて、これでひかるたちはどういう道を選ぶんだろう。最終巻となる次作がとても楽しみです。
天使の飼い方・しつけ方 今日から始める実用イデルトレーニング
淺沼 広太
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