「あ……あの…………は、はじめまして」
小豆色の和服を着た、小学五年生くらいの女の子。
「な、な……っ」
突然の出現に面くらい、カケルは思わず二、三歩後ずさる。
「あの、その…………わたし、あなたが飲んだ、おしるこの缶…………なのです」
缶に口をつけると(キスすると)美少女に、ピアスをひっぱると缶に戻るという「アキカン」のメロンと、ちょっと変態なカケルが繰り広げるドタバタラブコメの第五弾。今回は、アキカン・エレクトを潰すには、と悩んでいたカケルが、おしるこ缶に口をつけたら、和服姿の小さな女の子になっちゃって、というお話。
思わずにやりとしてしまうのは、真面目なしるこちゃんを妹のように可愛がるカケルに対して、メロンやなじみが嫉妬するところですね。まあ、たしかに猫かわいがりってぐらいによしよしと撫でてるし、おしるこなので、暖めないと調子が悪くなるから、何かと抱き寄せてあげてるから、カケルを思う女の子たちからしたら、面白くないのはわかるけど、大人気ないなあ。
なまじ、しるこちゃんがいい子だから、余計やりにくいんだろうけど。
まあ、カケルがしるこちゃんを可愛がるのは、とある理由があったりするからなんですが、もうひとつ、メロンとの間にある気まずさから逃げようとしているからなんですけどね。カケルのことをもっと知りたいと言い出した彼女の思いに同調するものがあったりして、自分でもどうすればいいのかわからないんだろうなあ。
このあたりの話をもっとちゃんと見たかったんだけど、残念ながら、嫉妬合戦やら、しるこちゃん可愛い方面ばっかりで、話が進んでしまったので、いろいろ物足りないものがありました。いや、気を引くために、Yシャツ一枚でカケルの前に出るメロンとか、ロリコン治療と称して、カケルの×××を出そうとするなじみとか、面白かったけど……でもね、やっぱり、もうちょっと真面目なところも見たかったのよ。
というわけで、今回は、面白いけど普通というぐらいだったんだけど、最後にきてやられました。
カケルという温かさに包まれながら、それだけじゃ駄目なんだと、孤独を感じていたしるこちゃんに、それまでほとんど脇役に徹していたエールが、無言で温かさを伝えてあげたところは、素晴らしいです。やっぱり触れ合うって大事ですよね。
温かさに包まれたしるこちゃんの流す涙に、思わずもらい泣き。
あー、よかった。毎回、毎回最後の盛り上がりにやられますね。
さて、最後にアキカン・エレクト方面で、新たな動きがあったので、あの少女が、どんな鍵を握っているのか、大いに気になりますが、どうやら、次は短編集になるらしい。となると本編の続きはお預けかな。
クラスメイトを巻き込んだ、ハイテンションなやり取りは、結構好きだったりするので、ああいうので短編一本読んでみたいですね。
アキカン! 5缶めっ
藍上 陸
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