Home > ライトノベル > [神代明] めでぃかる!

[神代明] めでぃかる!

黒の末裔であるフェイの一族には、不思議な力があった。仕事に関わる器具を人化して、「患者」である動物やモノ、彷徨える魂を治療することができるのだ。
今日も今日とて、カルテのルルや体温計のヒスイ、聴診器のジーナなどと一緒に「患者」を待ち受けていたら、飛び込んできた子ギツネが依頼してきたのは、自分の怪我ではなく、人間の病気を治してほしいというもので……

動物でもモノでも「彷徨える魂」でも、足を踏み入れれば、患者は人間になり、治療を受けられるという診療所のお話です。

はじめの子ギツネと病弱な少女の話がとても良くて、ああ、なんと優しい物語なんだろうと思ったら、その次からはちょっと話が変わって、医者と患者のお話というよりは、医者とその周囲のモノたちの成長物語っぽい感じでした。いや、どちらも素敵なお話だったので、文句ないですけど。

まだ新米ということもあって、なかなか思うとおり「彷徨える魂」を「患者」とすることができないフェイですが、医者としての心構えなどを導いてくれた町の老医者の言葉を胸に抱き、協力者として人化したモノと協力し合って、ひとつずつ問題を乗り越えていくところが、とても良かったです。

個人的に一番好きな話は、フェイの幼馴染であるロティのお話ですね。
幼いころ、共に遊んでいたのに、大きくなってからは、身分やすれ違いなどから、フェイに話しかけられなくなったお嬢様の気持ちが、切ないだけに、ちょっとした偶然から、昔に戻ったような冒険譚を繰り広げたときのロティの高揚感が、とてもよく伝わってきました。 ああ、なんと微笑ましいんだろう。

お互いの家に纏わる話については、今のところ気づいていないみたいなので、事実が明かされたときには、双方で大きな衝撃を受けるかもしれないけれど、それでも、ふたりならきっと手を取り合って乗り越えていけるんじゃないかな。
きっとそのときが、贖罪の終わりじゃないかと思ってみたり。

いやあ、温かく優しいお話でしたね。
これはぜひとも続きを読んでみたいですが、シリーズ化されるのかしら?

めでぃかる! - 神代 明

めでぃかる!
神代 明

集英社(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[神代明] [スーパーダッシュ文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [神代明] めでぃかる!

Trackback:1

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2271
Listed below are links to weblogs that reference
[神代明] めでぃかる! from booklines.net
めでぃかる! from Alles ist im Wandel 2008-02-24 (日) 02:33
めでぃかる! (集英社スーパーダッシュ文庫 か 5-17)神代 明 集英社 2008-02売り上げランキング : 2674Amazonで詳しく見る by...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [神代明] めでぃかる!

Search
お気に入り

左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下


わくわくするような大冒険がしてみたいな

時載りリンネ! 1 (1) (角川スニーカー文庫 203-1)時載りリンネ! 2 (2) (角川スニーカー文庫 203-2)

本を読むことで、滋養と時を操る力を得る「時載り」一族。読書よりも遊ぶことのほうが大好きという、おしゃまな女の子・時載りのリンネと、彼女に振り回される男の子・久高が繰り広げる冒険物語。どの年代の人が読んでも楽しめる最高のジュブナイルです。→感想


十八番目の皇女という立場から、何も手にすることができなかった月華が、心の内に「龍」を飼う涼狐の剣舞に惚れて、剣を手にする中華風ファンタジーのボーイ・ミーツ・ガール。

DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)

淡々と語られている物語だと思っていたのに、気づけば引き込まれています。溜め込んだエネルギーが、次なる巻で爆発してくれることでしょう。背筋がゾクゾクするほど、楽しみでなりません。→感想

なかのひと

Page Top