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[アサウラ] ベン・トー サバの味噌煮290円

仕送りが底をつきそうになった僕が、ふとスーパーで半額となった弁当を手に取ったとき、それは起こった。視界が反転し、気づけば倒れていたのだ。その様子を見ていた白粉花は言う。半額シールが貼られた直後に人が殺到して、僕が弾き飛ばされてきたのだと。
一体何が起きているのかは、二度、三度と繰り返すうちにわかってきた。ここは、半額弁当を掛けたバトルロワイヤルの場だったのだ……

閉店時間間近になると、お店の人が売れ残ってるお弁当を半額にするといったことは、よく見かける光景ですが、その半額となったお弁当を狙う高校生たちの弁当争奪戦物語です。

うおー、何だこの面白さ!
弁当を買うというただそれだけのことなのに、そこでは壮絶なバトルが繰り広げられてるってどうよ!とか、ツッコんで笑っていたら、いやいやどうして、熱い話じゃないですか。

始めは悔しさからちょっと興味を持っただけなのに、いつしか挑戦する気持ちが生まれ、争奪戦の楽しさと、弁当を手に出来たときの達成感が得る事が出来るシーンは、素晴らしく熱くなれます。

また、弁当に群がる「狼」たちが、格好いいんですよ。ポーツは苦手なのに、弁当争奪戦だけは最強クラスの「氷結の魔女」こと槍水仙先輩(表紙の人)や一匹狼の「魔道士」など、二つ名を持つほどの腕を持つ人たちは、戦いで語るみたいなところがあって、惚れ惚れする。

二つ名も名前も出てこないけど、その場に行けば毎日戦いを繰り広げる顎鬚や茶髪なども、弁当争奪戦に参加しているとは思えないほどの誇り高さを見せてくれて、なるほど「狼」と呼ばれるわけだ。 そりゃ、主人公の佐藤君も惹かれて「ハーフプライサー同好会」に入っちゃうよなあ。

それと、忘れちゃいけないのが、白粉さん。初めて弁当争奪戦に遭遇したときに、偶然出会った女の子なんですが、ちょっと天然な姿を微笑ましく思ってたら、ライトノベル研究会に所属してて、「筋肉刑事」なるBL小説を書いてて、主人公で妄想をしてたりと、強烈な印象を与えてくれるところに大笑い。
どちらかといえば頼りない印象があったんだけど、ライトノベルが好きなだけあって、燃える展開や相棒っぽいやり取りに惹かれて、佐藤君と共に頑張っていく姿が、良かったです。

いやあ、面白かった。
極貧なだけに、半額弁当を手に入れる楽な方法があることを知ったときには、迷っていた佐藤君ですが、ただ弁当を手にするためだけじゃないってことに気づいていく展開に熱くなりました。

先輩と佐藤君と白粉さんの関係が、なかなかいい感じだし、魔道士の話などもいろいろ含みがありそうなので、ぜひとも続きが読んでみたいですね。
オススメ。

お前にとって半額弁当はただ売れ残って古くなった弁当でしかないのか?

ベン・トー―サバの味噌煮290円 - アサウラ

ベン・トー―サバの味噌煮290円
アサウラ

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