「奇術とか……どう?」
辻斬りならぬ、辻マジシャンをされた久瀬守は、高品由布が所属する奇術研究部に勧誘された。どうやら部員が足りないので、体育館の使用許可が出ないらしく、奇術研ステージができないらしい。とてもじゃないけど、奇術なんて無理と思ったけど、見捨てることもできず、仕方なしに、彼女をミステリー研究部に連れて行ったら、いつの間にやら、奇術研のステージの手伝いをミステリー研で行うことになり……
奇術研究部の舞台の手伝いと、昨年の奇術研のステージで繰り広げられた人体消失マジックの謎を解くために、ミステリー研究部が立ち上がるお話。
ああ、楽しい。前作もそうでしたが、ミステリー研究部内で、みんながドタバタとやりあってる時が、一番面白いですね。人体消失マジックの謎がまるでわかっていないのに、知ったかで乗り切ろうとする玉露園とか、あさっての方向へと話を向けていくリサとか、ノリで話を繋いでいく華さんとか、気づけば雑用を押し付けられてる久瀬君の不運とか、にじみ出る雰囲気だけで、満足させられます。
この雰囲気が良すぎるせいか、部活の場から出ちゃうと、いろいろ物足りないって言うのは、なんとも残念ではあるんですが……
奇術研究部のステージを盛り上げるための準備段階に入ると、部員たちがバラバラに動き出すおかげで、どうも吸引力がない。華さんの手腕とか、いろいろ引っ張るものはあるんだけど……。なんていうんか、繋ぎが微妙。
とはいえ、ステージが始まってしまえば、そこはミステリー研究部らしいバカバカしさがあるんですが。
あっさり終わったと思ったら……というのは、前作と同じパターンですが、ここからのホラー展開は、面白かった。鏡の七不思議をこういう形で、持ってくるとは思いませんでしたよ。
そんなホラー風味の中、今回一番目立っていたのは、表紙を飾ったリアですね。何ですか、あの十字架を構えたイラストの格好良さと怖さは!っていうか、ある意味、どっちでも彼女は怖いんじゃないかしらと思ったけど、仲間になったら頼りになること間違いなしなので、ここは目をつぶっておくが吉ですよ、久瀬君。
そして、小春ちゃんとの間柄も一歩進んだところが良かったです。「友達」という言葉が、彼女にどれほどの心強さを感じさせたかが伝わってくるシーンは、イラストとあいまって、じんわり来るものが。
ただ久瀬君としては、「友達」でいいのかどうかってところもあるので、このあたりは次作以降かな。彼女はひとつ態度を見せてくれたんだから、今度はこっちから動かないとね!
あー楽しかった。
最後の誰だかわからない人たち(見え見えだけど)の会話が、ちょっと切なく、でも温かいものがあって、こういうの好きだなあ。思わせぶりな最後のセリフもいいですね。
次はどんなドタバタが待ち受けているのか楽しみです。
りっぱな部員になる方法。 2 (2)
午前三時五分
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