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[海原零] 薔薇色にチェリースカ 2

「さて、キラサキ、貴様の任務を説明する」― 横暴を繰り返す理事長が続けた言葉は、封鎖されている地下にあるパルパテラ教会の破壊命令だった。一切便宜は図られず、見つかることすら許されないクソッタレな任務だが、自分だけでなく、妹のためにも、成し遂げなければならない。ヒロよりもはるかに地下迷路を知っているチェリースカの案内を受けて、パルパテラ教会を目指したが、そこには、チェリースカにとって恐怖の対象である敵が待ち受けていて……

自分と妹のために、生徒と敵対する理事長の狗となった綺羅崎ヒロが、ヘビに変身できる美少女チェリースカと出会って……というお話の第二弾。今回は、地下にあるパルパテラ教会で、チェリースカの秘密や宿敵が明かされていくお話です。

いやあ、面白くなってきた!でも、読みにくかった。チェリースカとヒロの視点が、コロコロ入れ替わるところがあったおかげで、どっちの心の内なのか混乱することが結構あったような。話が転がっていくとそうでもないんですけどね。

前作のような学園ものっぽいところは若干なりを潜めた感じがありますが、真希とのやり取りは面白くなってたなあ。よりによってな行動が引き起こされるおかげで、怒り心頭してましたけど、ふたりの間にある垣根は、取っ払われてる気がしないでもない。
ただ、ふたりの間にあった意味深な過去は、実は……というところに、学園の闇を感じましたね。下手すると、ヒロの両親も……なんて囁きが聞こえてきそうなだけに、このあたりは大いに気になるところ。

今回一番大きな動きだったのは、チェリースカの秘密が明かされたことでしょう。彼の人と対峙したときには、極端な怯えを見せたときには、どうしたことかと思いましたが、あれはきつい。チェリースカの恐怖も理解できる。むしろ、よくぞ正気を保ってるものだと思えるぐらい。彼の人の狂気を、はじめは不気味に思っていただけでしたが、だんだんと姿を見るだけで、こちらまで絶望を感じ取れるようになってしまいました。

こうなると、さすがのチェリースカも、心が弱くなりますよね。ヒロに自分の秘密を話したのは、無理なことはわかっていながらも、それでも救いを求めざるを得ないほど、追い込まれていたんだと思います。突拍子もないけれど、それでも目の前の光景を見たら信じざるを得ない、姫と王子の話に身震いしてくる。

それにしても、思わず感心してしまったのは、三つ巴な関係ですね。それぞれが持っている「鍵」が、単純な力の強さとはまた別のアドバンテージも見せてくれて、互角とまでは行かなくとも、ぎりぎりのラインで戦えることに、なるほどと思わされます。

いやあ、面白かった。地下へ行ってからのお話は、ちょっと冗長かなと思わなくもないけど、二人がより強い信頼関係で結ばれることになったのは、よかったと思いました。
とはいえ、油断はできませんよね。今度は相手も別の手を考えてくるだろうし、ダミアの動向も気になります。一応、こちら側も、ちょっとした明るい進展はあるんだけど……、ああ、気になる!
続きが待ち遠しいですね。

薔薇色にチェリースカ 2 (2) - 海原 零

薔薇色にチェリースカ 2 (2)
海原 零

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