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[淺沼広太] 天使の飼い方・しつけ方 3 このあとスタッフが全力でもふもふいたしました

天使のセラと悪魔のイデルが仲良く同居しているひかるの家に、仕事で家を離れていた父親が帰ってきた。守護天使のセラの目から見ても隙がなく、理力でセラについての認識を書き換えようにも跳ね返されてしまうという只者ではない空気に戸惑いながら、それでもセラたちのことを歓迎してくれた。
そんな平和な時間を過ごしている最中、悪魔のカルマが、わら人形マスコットなるものを街にばら撒き始めて……

ひかるにかけられた呪いを解くために、癒し天使のセラが空回りしながらも奔放するラブコメシリーズの第三弾。今回は、ダウナーな気分になるというマスコット人形の呪いを解くために、セラたちが代わりとなるマスコット人形を作ることになって、というお話です。

いやあ、いいなあ。こういう力の抜けたお話。ぬいぐるみの可愛さやもふもふ感に、人間や天使たちが虜となって、他のことに気力が向かなくなっていくって、どんなんだよ!とツッコミを入れつつ、読んでるとぬいぐるみが欲しくなってくるなあ。もふもふしたい。

対抗するぬいぐるみを作るために、セラが慣れない変身の術を使って小動物等のモデルとなり、インスピレーションを受けたイデルがデザインをし、千景が縫い上げるという、皆でひとつのものを作り上げていく過程は、意外な一面も見えたりして面白かったですね。

ただ、三人でというところに、ひかるの立場の辛さを感じましたね。セラたちからしたら、いてくれるだけで嬉しいですが、やっぱり男として……というか人として、自分だけ役に立てないという思いは、今まで以上に無力さを感じたんじゃないかしら。ひとり黙々と、神月家に伝わるという修行(という名のビ○ーズブー○キャンプ)をこなす姿に、やるせなさが漂います。

やるせないといえば、人間に好意を持っていることを知られたら消滅してしまうという天使の規律を、ひかるが知ってしまって……というところが、やるせなかったですね。万が一ということを考えて、距離を置こうとするひかるに、セラが戸惑うのもわかります。それにしても、なまじ規律について知ってしまったが故に、逆にセラに対して意識し始めたような気もするので、いったい二人の今後はどうなるんだろうと気になるばかり。

神月家の秘密については、こういう繋がりがあったとはなあと驚かされましたが、あまり凄さを見せない父が、子を思って動く姿には、心に来るものがありましたね。親と子という意味では、イデルとベルフェラジィの関係にも、言葉で言うほど辛く当たってないのでは?と一筋縄ではいかないものを感じるだけに、はたしてベルフェラジィは、何を思っているのか気になります。でも、なかなか心を見せてくれないんだよなあ。ううむ。

ノリは軽くとも、展開は結構シリアスになってきたような気がしますが、唯一の救いは、ひかるの呪いが解けたことかな。ちょっと急展開過ぎてアレでしたけど、ひとまずホッとしました。
ただ、イデルの身に起きていることが、かなり切羽詰ってる感じがありましたね。今の関係と環境が、イデルにとって心から楽しいと思えるものであることが伝わってくるだけに、何とかなってほしいところ。セラやひかるが覚醒(?)っぽいことをしているので、ここいらが鍵になってくれれば……。

天使の飼い方・しつけ方このあとスタッフが全力でもふもふいたし (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 3-18) - 淺沼 広太

天使の飼い方・しつけ方このあとスタッフが全力でもふもふいたし
淺沼 広太

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