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[横山忠] 警極魔道課 チルビィ先生の迷子なひび

かつて、人間と獣人が、8年もの間繰り広げた大戦争を治めたのは、天使や悪魔が人の住む世界に落としたと伝わる神機や魔機を使える「宝玉使い」であった。やがて、彼らは道士と呼ばれるようになり、その道士を世界で五番目に多く保有するケルビム共和国の犯罪を取締る「魔道課」には、十二歳の女の子チルビィが在籍していた。道士としての力はあれど、好奇心旺盛なチルビィは、弟子と共に犯罪捜査をしていたら、迷子になって……

課長の話は聞かないわ、コンピュータが使えなくて癇癪を起こすわ、捜査よりも好奇心にかまけて勝手に出歩き、気づけば迷子になったりして、足手まといも甚だしいけど、実は最強。そんな十二歳の女の子チルビィとその弟子たちが、男女合わせて18人が誘拐されたという事件の調査をするお話です。

設定がズラズラ並べられたり、複数の人の会話では、誰が話してるんだかわかりにくかったりで、始めはどうにも読みにくくて、ある程度、話が進むまでは、読むのが大変でした。

それでも楽しめたのは、チルビィとその仲間たちの関係が良かったからですね。道士としての力こそ天才的なものがあっても、あとは好奇心旺盛な女の子というチルビィは、迷惑かけっぱなし、心配かけっぱなしで、フォローに回る弟子のトーマの気苦労が伺えます。いや、でも、今回は、新弟子として始めて捜査に参加した獣人族の王蘭のほうが大変だったかも。強さは知ってても、小さな女の子という外見から、チルビィの行動を心配しっぱなしで、果てはどんなところにでも突き進んでいくチルビィのおかげで、魔獣と戦わされる羽目になったりするんですからね。

とはいえ、戦いとなったら、普段とは一変して頼りになるから、チルビィがかっこよく思えるんだよなあ。時にトーマに怒られないようごまかしたり、人を殺すことについて悩むこともあるんだけれど、非道な敵に対して、義憤を覚えて突き進む姿は、王蘭ならずとも惚れ惚れするものがありました。
ピンチになったとき、現れたチルビィに、どれほど興奮したか。

チルビィのみならず、同僚の東雲やその弟子シスカの曲者っぷりも、楽しませてもらえましたね。特にシスカのトーマに対するラブラブっぷりは良かったです。治療にかまけてキスするなんて、あー、やってくれるぜ!
これは続編が読んでみたくなるお話ですね。ぜひぜひ、期待したいです。

第6回スーパーダッシュ小説新人賞佳作。

警極魔道課チルビィ先生の迷子なひび - 横山 忠

警極魔道課チルビィ先生の迷子なひび
横山 忠

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