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[岡崎裕信] 夜空の双子座に紅いバラ

先天的吸血鬼の結社「深紅の薔薇結社」に双子の少女が尋ねてきた。礼儀正しい妹の倫理と活発な姉の真理の二人は、とある病院からここを案内されたのだという。妹さんは吸血鬼になってしまったという雅香の言葉に、倫理は思い当たることがあったが、怒った真里は絶対に認めようとせず、治療方法を探して、病院を転々としていくうちに、治癒が可能かもしれないという病院に行き当たったが……

田中芳樹さんの「ウェディング・ドレスに紅いバラ」の続編を岡崎裕信さんが手がけたお話です。「深紅の薔薇結社」―略称CRSの日本支部に、中学生の新人さんが来たけど、ただの人間であるお姉さんが反発して、というお話。

いきなりあなたは吸血鬼ですと言われても、自覚症状がある妹さんはともかくとして、ただの人である姉からしたら、大事な妹に対して、何てことを言うんだと反発するのはわかりますよね。ちょっと過保護なところがあるけれど、妹さんを大事に思う真理の気持ちが伝わってきます。

ただ、始めはCRSに反発していた真理が、吸血鬼の血を狙う科学者たちから助けられたら、とことん懐いてくるところが、なんかいいんですよね。真理は淳司に、倫理は雅香にという懐き方が可愛かったりします。

別の場所では、吸血ウィルスを研究してるところがあったりして、その人たちの野望をつぶすべくCRSが、というか雅香と淳司が奮闘してました。相変わらず、伯父さんにこき使われててニヤリです。

雅香が吸血鬼として新たな段階を踏もうとしつつ、なかなか踏み込めないところに、ちょっとした恋心を感じちゃったりしますが、ああ、もう!なかなか進まないなあ、とイライラしてたんですが、コーチもちょっと動揺みせてくれたりして、満足もしてたり。うふふ。

研究所のバックにいた人たちは、そうか、そっち方面できましたか。まあ、国とかそういったものよりも、わかりやすいですね。敵対する必要があるのかといったら、微妙なところですが、手段が異なるのであれば、道も自ずと異なるってことかな。

個人的に印象的なシーンは、妹が吸血鬼になったことを受けて、姉である真理が自分も吸血鬼になれるのだろうかと問うたところです。常に同じところにいたい、護ってあげたい存在であるという姉の気持ちがわかるだけに、この問いには切ない思いがしました。
そんな彼女に伯父さんがかけた言葉が、とても素敵で、ああ、やっぱりCRSにいてよかったんだろうなと思いました。

いやあ、いいですね。期待したとおり、期待した以上の作品になってました。田中芳樹節とも言うべき薀蓄こそないものの、世界観やキャラクタはばっちり引き継いでますね。「ウェディング・ドレスに紅いバラ」の後に読んでも、さほど違和感なく楽しめました。
しかも、これだけで終わらず、どうやら続く模様です。これは楽しみでなりません。

夜空の双子座に紅いバラ - 岡崎 裕信

夜空の双子座に紅いバラ
岡崎 裕信

集英社(文庫)
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