Home > ライトノベル > [嬉野秋彦] ゼランディーヌ 性悪ないばら姫

[嬉野秋彦] ゼランディーヌ 性悪ないばら姫

身寄りがなくなったひなこは、働くために都会へ出ていくことにしたが、慣れない地下鉄に乗ったら降りる駅を間違えて、よりによって「朱雀門」と呼ばれるスラム街のようなところに来てしまった。財布はすられ、雨にぬれ、途方にくれていたら、男の人に襲われて……そのとき助けてくれたのが右目にモノクルをかけていた女の人ロジーヌだった。そしてひよりは、彼女とすめらぎという美形さんが営んでる何でも屋の仕事を手伝う事になったが……

警察からも仕事を貰うような何でも屋を営んでいるすめらぎたちが、事件を追っているうちに、若い女の人が眠りに付いてしまう病気ゼランディーヌの謎にも迫っていくお話です。

美少女と思わしき容姿を持つすめらぎが、実は男の子でさらにセクハラ魔人ってことで、田舎者のかわいい女の子のひよりがいじられまくるわけですが、いやらしさよりも楽しさみたいなものを感じるのは、やり方が子供っぽいからかな。まあ、やられてる側からしたら、イヤでしょうけど。

それはともかく、何でも屋の仕事は、子供を性的対象として狙う相手を追うということで、なかなかダークでしたね。途中途中で出てくる描写に心痛むものがあります。このあたりの話は、後味悪いものを想像しちゃって、ちょっとノレなかったかも。
「ゼランディーヌ」の問題については、わりとオーソドックスな感じではあるんですけど、すめらぎたちだけではなく、別方面からも同じものを狙う人たちがいてと、サスペンスな展開は面白かったです。

始めはすめらぎの軽いところが苦手だったひよりが、共に仕事をするにつれて、彼の意地っ張りなところに気づいて、その中身に触れていくうちに、少しずつ惹かれていくところや、からかいの対象としていただけのはずなのに、いつの間にかひよりが自分の中で大きな存在になっていたすめらぎの心のうちとか、本音を言わないけれど、実は……という描写がいいなあ。

ただ、すめらぎやロジーヌが何者なのかが明かされなかったのは、ちょっとなあと思ったり。普通の人間にしては、異常な力をもってたりするようなんだけど(特にすめらぎ)、そのあたりは匂わす程度しか見えなかったので、すっきりしないところがあったり。謎度でいったらロジーヌのほうが大きいけど。

とはいえ、最後のちょっとにんまりさせられる終わり方には満足です。ゼランディーヌの発動条件って、ある意味素敵ですよね。読んでる間は楽しいので、一冊ものとして読むなら、悪くないかな?続編が出たとしたら、う~ん、保留。

ゼランディーヌ―性悪ないばら姫 (集英社スーパーダッシュ文庫 う 1-18) - 嬉野 秋彦

ゼランディーヌ―性悪ないばら姫 (集英社スーパーダッシュ文庫 う 1-18)
嬉野 秋彦

集英社(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[嬉野秋彦] [スーパーダッシュ文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [嬉野秋彦] ゼランディーヌ 性悪ないばら姫

Trackback:1

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/1675
Listed below are links to weblogs that reference
[嬉野秋彦] ゼランディーヌ 性悪ないばら姫 from booklines.net
[書評][嬉野秋彦][ゼランディーヌ][アクション][ちょいエロ][★★★★]ゼランディーヌ〜性悪ないばら姫〜 from いつも感想中 2007-06-12 (火) 12:47
ゼランディーヌ―性悪ないばら姫 作者: 嬉野秋彦 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2007/05 メディア: 文庫 ああっ、最近無条件地雷か!? ...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [嬉野秋彦] ゼランディーヌ 性悪ないばら姫

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top