すべての任務を中断し、最優先で集合すべく鐘が鳴り響いていた。イスモ共和国。世界最大の国が、突然、バントーラ図書館に戦争を仕掛けてきたのだ。共に神溺教団を討つために手を取り合った国であっただけに、衝撃は大きかった。
例え相手が、世界最強の軍事力を誇っていても、自分たちが勝てないとは思っていないハミュッツだが、嫌な予感を抑えることができず……。
序章から大ショックを受けましたが、さらにものすごい展開が待ち受けていました。武装司書たちが戦ったら、国だろうがなんだろうが負けることは無いだろうと思っていただけに、次第に追い詰められていくところは、言葉になりませんでした。化け物じみた武装司書たちが、絶体絶命まで追い詰められるんですから、数の力の恐ろしさが伝わってきますね。
むろん、裏で糸を引くのは、神溺教団なんですが、どうやってこんな仕掛けをという謎は、なかなか明かされないので、でもそんなことを気にしてる暇が無い展開には引き込まれっぱなしでした。
例のことを知ってから、神溺教団だからといって、おいそれと憎めなくなってるんですが、それでも、この戦いを仕掛けた神溺教団の総帥カテュアを許せなく思ったのは、ノロティの優しさを利用した策だったからですね。ノロティ大好きっ子だったので。
ただ、策としてうまいと思ったのも事実で、カテュアが何も知らないノロティに追い詰められながら、針の穴を通すような策をやり遂げたときの瞬間は、思わずひざを打つほど、やられた!と思いました。
一国だけではなく、全世界がバントーラ図書館へ憎しみの目を向けるという死闘には、ここまでやるか!と思ったほど、すごいものがありました。今まで活躍していた人たちが、刃に倒れるところは、なぜ、どうしてと、叫びたくなるほどです。ハミュッツが死んでも、それほど悲しくは思いませんが、『最強』が倒れたときには、胸が締め付けられる思いでいっぱいです。
これが最後かもしれないと、ハミュッツが武装司書たちへ命令を下すシーンは、思わずグッとくるものがありました。
バカで、純粋で、人を殺せなくて、苦労するだけして、辛い思いを繰り返して、それでも人を愛し続けたのロティが、物語のきっかけであったならば、物語を閉じたのもノロティの思いというお話には、読む者の辛さが伝わってきます。エンリケが流した涙は、僕の涙でもありました。ああ……。もう、言葉にならない。
いやあ、すごい。ほんとすごい。熱い展開にやられるのではなく、物語に引きずり回されて、圧倒されるすごさだと思いました。今作で一応一区切りらしいですが、ここまでのことをやってしまって、次はどうするんだろうなんて、変な心配をしてしまいますね。
次なる担い手はミンスということなので、まだまだ謎なところもあわせて、どういう物語が生まれてくるのか楽しみです。
オススメ!
戦う司書と荒縄の姫君
山形 石雄
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