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[岡崎裕信] フレイアになりたい 2 ハーデスが泣いている

この夏休み中になんとしても映画を撮ると決意した瞳は、若菜の妹である夜空に出演依頼をしたが、お姉ちゃん子である夜空は、難色を示している。さて、どうするかと悩んでいるとき、クラスの委員長の小泉が自殺した。もしやと思っていたら、ハーデスの神格能力者である老人が夜空の前に現れて……

余命五年を宣告された瞳が、映画監督を夢見て、仲間を集めて撮影を始めていたら、ハーデスにより絶望した人が自殺をして……というお話です。
あれ、こんなにテンション高い感じだったっけ?と、若干引いてしまうような会話が続いてて、ちょっとアレでしたが、シリアスなシーンが始まってからは、一気に引き込まれました。って、これ前作でも同じこと言ってましたね。

軽い感じを受けますが、懸命に生きようとする瞳の姿を見たら、きっと自分から手伝いたくなるでしょうね。何かに夢中になってる人って魅力的です。

態度は悪くても、内には優しいところを持っている瞳と、同じように優しさに溢れている若菜が魅力的なだけに、彼女たちを慕う夜空が、ふたりの事実を知ったときの真情を考えると辛かったですね。
特に、人を絶望に追いやる生き方を正してくれたふたりを信頼していく過程が心に響くだけに、悲しみが止まりませんでした。わかっているのに、何度も涙ぐまされました。

ヒロインの恋人役の大垣もまた悲しい過去を持っていましたね。最後の方まで、心の内は見えなかったんですが、追い詰められてからの彼の言葉は、決して言い訳には思えませんでした。瞳が相手だからこその真摯な態度でしたね。「もうひとつの感情」を胸に秘めてるところには、もっと正直になってもいいのにと言いたくなる思いでいっぱいでした。
悲しみから絶望に浸ることがあっても、希望は失われない。そんな彼の言葉が印象的です。

最後の最後で救えなかった人がいたというのは、やはり悲しいものがありますが、それでも前を向いていこうと決意するところが良かったですね。哀しみに絶望することがあっても、ただ生きていてくれるだけで、救われることがある。共に泣き、共に笑う、それでいいじゃないか、それだけでいいじゃないかと思わせてくれるラストが素敵でした。

前作のような一言に集約される物語ではありませんでしたが、生きるということについて、胸に響くものがありましたね。この本は僕にとってのフレイアだなあ。
これで完結とのことなので、次なる物語でまた出会えることを期待しましょう。

フレイアになりたい 2 (2) - 岡崎 裕信

フレイアになりたい 2 (2)
岡崎 裕信

集英社(文庫)
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フレイアになりたい〈2〉 ハーデスが泣いている from MOMENTS 2007-04-22 (日) 23:21
読了。 岡崎裕信の書く作品のラストはどれも切ないですね。その辺が(残念ながら)万人受けしない理由の一つなんでしょうか。ということで、まさか出るとは思ってい...

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