打倒リアを宣言した理由は、自分だけがわかっていればいい。そんな私の決意を本ものと思ったようで、コーチのマイヤも本気になってきた。今までのシゴキですら手加減されていたとは!
肉体の限界を超えているようなトレーニングが続いたが、あるときマイヤが口にした。
―あの子に勝つ方法を教えます……
リアに勝つために、タズサとマイヤの本気のトレーニング、グランプリファイナル、そして、オリンピックの女子シングルフィギュアスケートのショートプログラムの終わりまでが描かれます。
まさかこんな展開になるとは思いませんでした。普通にリアに勝つための苦しみを描いていくと思っていただけに、意外でしたね。たったひとりの人間から与えられるプレッシャーに、ここまで恐怖を感じさせられるとは。まさに女帝の逆鱗に触れてしまったということでしょう。
タズサにとっては目標であると同時に憧れでもあるリアですから、たったひとつの動作ですべてが崩れていくような気持ちがよくわかります。
初めてのオリンピックのときも、プレッシャーに涙したタズサでしたが、今回はこう来たか……。ああいったときの焦る気持ちって、きっと誰もが経験しているんじゃないかなあ。とても共感してしまいます。
投げやりな気分になりそうなだけにドキドキものでしたが、やってきてくれたときには、ほっと一息。ピーク・エクスペリエンスの気持ち良さが伝わってきました。
それだけの演技をしたからこそ、リアの言葉がはじき出されてきたのでしょうね。強烈ですが、彼女と対等の位置にいることを示しているとすれば、タズサにとっては喜ぶべきことですよね。いや、怖いけど。
未だ語られぬリアの心情がとても気になります。
さあ、残すはフリープログラムのみ。にもかかわらず、8巻を超える分量とはどういうことだろう。いったいどんな展開が待ち受けているのか、どんな波乱があるのか、リアの心情が語られるのかなどなど、楽しみで楽しみでしかたありません。
ところで、リアとタズサのイラストが怖いと思ったのは、僕だけ?
銀盤カレイドスコープ〈vol.8〉
海原 零
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