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[岡崎裕信] フレイアになりたい

魔法、超能力、様々な呼び名があるが、強力な力を日常で使われることは問題であるとして、神格能力を奉じる「風魔分家」の跡取娘である風間瞳は、能力者を探し、悪用させないバイトをしていた。
ある日、いつものように能力者探しをしていた瞳は、ちょっとしたことからクラスメイトである夕陽が伝説の能力者「フレイア」ではないかと思い、彼女の能力を調べようとしたが……

フレイアと呼ばれる能力を追う内に培われていく、少女たちの友情の物語かな。これは良かった。青春ものとして大ヒットです。

瞳、若菜、陽子の三人が繰り広げる会話がとても面白い。気恥ずかしいところもあるかな。友達やら夢やらを率直に言葉にできるっていいですよね。不良で傍若無人な瞳が、たまに照れるところが何ともかわいく、アンドロメダ大星雲を持ってる陽子の天然な明るさに心が癒されました。

ドタバタコメディな感じだったせいか、前半はややチグハグな印象を受けましたが、シリアスな展開が走ってくると俄然面白くなりました。それぞれが抱える後悔と苦悩が、激しい感情を引き起こすところは心が重くなりますが、それでも相手のために、何かをしてあげたいと思う真っ直ぐな気持ちに胸を打たれました。

個人的なベストシーンは、フレイアの意味を知り、自分がそれでないとわかっていても、そうなりたいと決意する陽子の言葉ですね。この場面でこの言葉を持ってこられたら、胸が熱くなるに決まってる!
この一言のためにこの物語があると思いました。

女性同士であるが故に恋という言葉は使われないし、雰囲気としても恋とか愛とは違う気がする。もう少し大きな括りで、人として人を愛しているという感じでしょうか。それぞれが相手に対して伝えようとした優しさと迎えた結末に、目頭が熱くなります。

未来が見えることは良いことばかりではないですが、決して悲しいだけじゃない、言葉で言い表せない何かがそこにはありました。命のバトンを渡したいと思う人がいるならば、その人にとっては幸せだと、そう思います。

フレイアになりたい - 岡崎 裕信

フレイアになりたい
岡崎 裕信

集英社(文庫)
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