府津羅組の一人娘である紅花が狙われていると言う連絡を受けて、便利屋の工藤商会の一員である奈美恵は、抗争場へと向かった。無事合流する事ができたものの相手の数が多く、銃撃戦となっては勝ち目がない。逃げるために、囮となって敵をひきつけていた奈美恵は、化け物に出会った。9ミリ弾を喰らいつづけても平然と打ち返してくる仮面をつけた大男だ。
辛くも逃げ出す事ができたが、仮面の男は執拗に紅花を狙ってきて……
法が緩和されて、銃を持つこと事態は犯罪でない近未来の日本が舞台にして、第一部では護衛者である奈美恵の視点から、第二部では護衛される紅花の視点から描かれる物語。
初っ端から始まる怒涛の銃撃戦の連続に圧倒されます。ここだけじゃなく、銃撃戦のシーンは力が入ってますね。迫力満点。
ただ、印象に残ったのはどちらかといえば銃撃戦よりも各主役の内面でした。第一部、第二部ともに切々と描かれています。
後から来るものに追い抜かれることは、自分の教え子であったとしても辛い事でしょう。年齢による力の衰えを感じて苦悩する奈美恵の気持ちが伝わってきます。だからこそ、と言うとなんですが、自分はまだできると、信頼してくれる者を護る事ができると証明するために、紅花を護りたかったんだろうなあと思いました。
第二部の紅花は、護られる立場からの脱却ですね。突きつけられる現実は、直視できるものではなく、黒田の行動は仕事としてやってはいけないことだと思いますが、道を示したということについてだけでいうのであれば、少女のためにはよかったのかもしれません。
漠然と生きてきたものが、人を通して学びながら成長していく姿がとても良かった。力に酔いしれ、非力さに打ちひしがれて、それでもめげずに己を変えたいと願う姿に心が熱くなりました。
ただ、銃についての説明があまりに多くてちょっと辟易。銃については詳しい事を知らないので、こういう銃にこういう特徴があって、威力はどのくらいあるという説明はありがたくもあるんですが、もうちょっとシンプルな説明でもいいかなと思いました。
個人的には、奈美恵編のほうが好きだったので、続きが出るならぜひともそちらをお願いしたいところです。ちなみに一番好きなキャラはすべてを薙ぎ払う工藤さん。爆笑ものですね。
そうそう爆笑といえば、実はあとがきがかなり面白くて、ひょっとしたらコメディもいけるんじゃないかと思いました。シリアスものじゃなく、コミカルものも読んでみたいところ。
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