「あなたイヤじゃない?あたしと旅するの」
オニキスは正面から尋ねられて、思い切り首を横に振る。
「よかった」そう言って宝珠も笑う。「あたしも、イヤじゃないよ」
そして、踵を返すと部屋に向かいながらいった。
「喧嘩しながらいこう」
東大陸で忌み嫌われる存在である魔獣の宝珠が、しっぽのある王子、美しき姫、三つ子の子供たちと出会いながら、西大陸のトードリアを目指すという「子供たち編」の第二弾(ちょーシリーズとしては第十二弾)。今回は、オパールの通う女学院に異変が発生し、宝珠と女装したオニキスが潜入捜査に向かうお話です。
えええ!ヴィアの旦那さんがまさか彼だったとは!と、初っ端からちょーびっくりさせてくれましたが、どちらもいい感じにツンデレさんで、お似合いかもしれないと思ったりしましたが、それより何より、ヴィアが偏屈女から引っ張り出した子供たちへの言葉にじわり。
レフーラ王宮話はわりとあっさり終わりましたが、今度はオニキスの妹・オパールが通う女学院で異変が起きたことを受けて、宝珠たちが立ち向かうという展開。なるほど、こうやって一人一人出会っていくんだなあと思いながら、オニキスが宝珠を気にかけ始めてるっぽい気がしてきてニヤニヤしてしまう。彼自身、自らの身に起きた出来事に後ろめたいものがあるので、たまに一歩引いてるようなところがあるから、怖くても何でも、まず先へ行ってみる宝珠がまぶしく見えるんじゃないかしら。
実際のところ、宝珠としてやたらめっぽう突き進むわけじゃなくて、怖気づくこともあるんだけど、しっぽ王子の優しさに触れたり(侍女さんのほうが恰好良かったかもしれないけど)、親ばかっぷりを発揮しながらも、背中を押してくれるダイヤの言葉に心打たれたりと、その時その時でいい出会いをしているんですよね。いいコンビになっていきそうで、この先の旅路がすっごい楽しみだったりする。
そういえば、もうひとりの王子はなかなか屈折したものがあるっぽいですが、子供らしいところもあるようですね。ジオや宝珠が、彼にどんな影響を当てていくか気になるところです。
ちょー先生のお気に入り (コバルト文庫)
野梨原 花南
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