「なんか、気持ち悪いぐらいね」
周囲を見回し、キャッスルは眉を寄せた。隣を歩くエイゼンも、肩をすくめて同意する。
「たしかにこんなに静かなのは、珍しいね。やっぱり噂は本当かねえ」
「噂?」
「元首が倒れたって」
23世紀。地球の治安部隊としてレジスタンスと戦っていた女隊長キャッスルと副隊長エイゼンが、火星の権力争いに巻き込まれていくという第二部の第五弾。今回は、ラファエルが火星を離れた間に、キャッスルの心に変化が生まれて……という間に、そこいらにいる「背信者」たちが動き始めるお話です。
うわあ、ショック!よりによって、ユージィンにだなんて……。ぶっちゃけ、ほかの誰でもいいけど、ユージィンだけは嫌なんだよなあ。僕の中では、彼女とユージィンという組み合わせは、なんかしっくりこないんで。っていうか、邪眼のことはわかっているだろうに、それでも堪えきれないというんだから、恐ろしいよなあ。憔悴するほど、別方面に打ち込む彼女の姿が痛々しいです。
それにしても、ユージィンが語ったユーベルメンシュの物語は、なんかすごいお話な感じだなあ。これってブルーブラッドシリーズで語られてたりするのかしら。大いに気になる。だからといって、ラファエルまでもが……と思うんだけど、大きな力を感じるなあ。はたして、運命はどう回っていくのか楽しみでしかたない。
一方、地球では、背信者たちが動き回っているわけですが、ここで一番意外だったのは、オブライエンの動きでしょうか。今までは思慮深い人に思っていたんだけど、見えてくる事情からすると思ったよりも、言い方悪いけど、投げやりな感じがする。うーん、サウルやレジーナの目から見た父親像とは、また違ったものがあるんだなあ。
父親といえば、まさか彼女の父親が……ってのは、今後どう動くことになるんだろう。ああ、ドキドキする!
例の件でショックを受けているかと思ったラファエルですが、まあショックは受けているんですが、間違った形でも、母親の愛情を感じたおかげで、それほど弱ってはいないかな。今までにない力を発揮することで、「兵器」となってることに気づいているのかどうかわかりませんが、でも、あの性格のおかげか、周囲にいるユーベルメンシュたちにも、いろいろ影響を与えているのがいいですね。っていうか、E-74、あなた性格変わりすぎ。可愛いからいいけど。
気づけば、更なる謀略を企ててるユージィンですが、マックス……いや、諜報活動となったら仕方ないのかもしれないけど、仕事のために女と寝るってのは、なんか、こう、似合わないような、ぴったしなような、なんとも言えない気持ちになったのは、僕だけかしら。
そこいらでいろいろ動きがあるけれど、やっぱり一番ショックはメイエの話だよなあ。それほどまでに脅威だったのかしら。落ち着いて対処すればいいものを、逆に余裕のなさを感じます。
そこへさらにキャッスルが向かうことになるんだから、さあ、いったいどうなるのかしら。
続きがとっても気になります。
背信者―キル・ゾーン
須賀 しのぶ
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