「居場所さえ全くわからないなんて、情けないと思わない?マックスの話じゃ、ラファエル攫いに来たのは、女二人なんでしょ?たった二人。なのに、この偉大なる都の軍隊と情報力をもってしても、全く居場所が掴めないなんてね」
「だけど、その二人って火星の保安部員なんだろ?しかもユーベルメンシュだってんなら、仕方ないんじゃない?」
「マックスだって同じユーベルメンシュでしょ。なのにしてやられるなんて、あいつもほんとバカね。同種の気配には敏感だなんて昔は散々威張ってたくせに、今は全然わかんないときたもんよ。使えないったらないわ」
レジスタンスと戦う治安部隊の一部隊を率いていた女隊長キャッスルが、治安部隊を抜けて、副隊長であり護衛でもあるエイゼンと共に、隊員であるラファエルを追って火星へと向かうところから始まる第二部開幕のお話です。
なんか、マックスとかE-74たちと、だんだん仲良くなってるなあ。おそらくはエイゼンののほほんとした雰囲気が、相手の壁を取り払ってくれるんだろうけれど、冷血だったマックスが時々見せる情けなさに、クスっと笑ってしまいます。マックスとE-74の関係も、なかなか楽しいものがあって、このまま四人がいい関係になってくれたらと思わんばかり。
で、宇宙へと飛び出していったキャッスルたちですが、てっきり火星で話が進んでいくのかと思ったら、その前で足止めを食らうとは思わなかったけど、ふたつの惑星の間に、AからHまでのコロニーが存在するのであれば、それも当然か。月と火星の勢力争いのおかげで、いろいろあるみたいだけど、そのコロニーEで、駐留部隊司令官が暗殺されたことから、一気にきな臭くなってきて、面白くなってきましたよ。
てっきり月と火星の争い話になるのかと思ったら、火星の中での勢力争いが見えてくるんですからね。ラファエルという存在のキーマンっぷりが、気になるばかりですが、そのラファエルを強奪していったのは、マックスとは別の派の、というか、ぶっちゃけるなら、最もラファエルが嫌っている人間なんですが、嫌な空気が流れてるなあ。洗脳とは違うんだけど、母へ思いなどを利用して、そっとそっと、ラファエルの壁を溶かしていくところに、不安を覚えます。ああ、ラファエル。頼むから、キャッスルを支えにしてくれよ。
とまあ、ラファエルを巡る勢力争い上の敵の思惑によって、キャッスルたちがピンチに陥るわけですが、大ピンチと思えなかったのは、今までのジャングル内のほうが、よっぽど危険極まりなかったからかな。それともマックスとエイゼンがいたからかしら。
切り抜けていくところで、緊迫感を呼ぶよりも痛快さを感じることの方が多かったですね。面白かったです。
とはいえ、一難去ってまた一難状態なので、さて、これからどうなっていくのか、とても楽しみ。
そうそう。本編の後ろのほうに、キルゾーンキャラクタの「イラストアルバム」と須賀しのぶさんの「ボルネオ旅行記」が乗っていました。
イラストでは、CM撮りされたときのキャッスルの姿がすごい格好よかった。あれはラファエルでなくても惚れる。間違いない。笑えたのは、階段からずり落ちてるマックスの姿ですね。ああ、そうだ。ブルーブラッドも読まないとなあ。
ボルネオ旅行記。こういうの読んでると行ってみたくなるけど、出不精なので行かないのは間違いない。旅行記なので写真も載ってて、初めて須賀忍さんの顔を拝見しました。うふ。
異分子―キル・ゾーン
須賀 しのぶ
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