別の部隊の兵士が、二人の前に倒れこんできた。慌てて医者を呼ぼうとしたが、本人は聞き入れない。とりあえず宿舎へ運ぼうという段で、相手が女性兵士だということに気づいた。美しきティナ・マクファーレン伍長にラファエルは照れていたが、シドーは彼女の様子から、ひとつの推測をした。もしかして、彼女は妊娠してるのでは……?
本編の続きではなく、番外編って扱いになるのかな。ラファエルたちがキャッスル隊に入った直後ぐらいのお話なので、、ああ、このころは、キャッスルのことを鬼軍曹扱いしてたんだなあと、ラファエルの様子に思わずニヤついてしまいます。今では大好きなのにね!
っていうか、ラファエルってこんなに食い意地はってたっけ?と思う描写が多かった気がするけど、餌付けされて懐いたり、女性に誘われても気づかない鈍さが、ラファエルらしくて可愛い。
それはともかく、妊娠したティナ・マクファーレン伍長が、子を産むと言い出したから、さあどうするというところから、話が発展していくんですが、そりゃ治安部隊からしたら、動けない兵士など必要ないので、おろすという選択肢の方が、普通なら正しいよなあ。
それでも、産むという決意をするあたりに、彼女の思いの強さを感じるんですが、同時に相手の名前を出さないあたりに、なんともいえない臆病さも感じて、この微妙な心がやるせない。
相手が誰かってところで、疑われたエイゼンは、まあ自業自得だと思うけど、そこで誤解をそのままにするエイゼンが格好良かったなあ。なんていうか、こういうとき、支えてくれる雰囲気をもってますよね、エイゼン。皆が頼る気持ちが分かる気がします。
おかげで、周囲の人には、キャッスルとの仲を誤解されたり、ラファエルの子供っぽい意地悪を受けたりと散々でしたけど、ま、自業自得ってことで(笑)。このあたりのエイゼン話は、すっごい楽しかった。
ともあれ、ようやく発覚した相手の素性から、ああ、なるほどと彼女の気持ちがわかるような気がしました。みっともなく振舞える勇気って、大人になればなるほど難しいですよね。
愛しながら、それでいて臆病になる。このあたりのティナや、そのお相手の心情に、キャッスルは理解しがたいものをもっていたようですが、それでもなお、彼らのために戦うキャッスルの姿は、美しいと思いました。やっぱりキャッスルは、怒ってるときが一番綺麗な気がする。
いやあ、良かったですね。
死を直前に迎えた男が、愛する人のために生きたいと願う。その思いが素敵でした。これからのふたりの行く末には、ひょっとしたら切ないものがあるかもしれないけれど、それでも……と思えるハッピーエンドに満足です。
グッドモーニング・ボルネオ―キル・ゾーン
須賀 しのぶ
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