マックスによって連れてこられたラファエルは、強制的に眠りにつかされていた。このまま分裂期に入ったら、ラファエルはその力を存分に発揮して、すべてを破壊してしまうだろう。だが、傍にユーベルメンシュがいるだけで、覚醒の刺激になり、さらにこの場にはラファエルの思い人、キャッスルまでもがいるのだ。制御装置に繋がれながらも、ラファエルの力は覚醒は止まらない。このままでは危険だと判断したサリエルは、マックスのみならずキャッスルをも手に掛けようと決意して……
女隊長キャッスルが率いる治安部隊を描いたお話の第九弾。今回は、全てを知ったキャッスルと、目覚めたラファエルが再会して……というお話。
「半身」の話は、キャッスルからするときついよなあ。せめてラファエルを支えよう、と思っていたのに、その役目すら危ういんですから。「ラファエルの傍にいる事ができるか」というE-74の言葉に大きな重みを感じて堪えますね。
ただ、「半身」を持つとはいえ、E-74の「力」に対する思いなどを見ていると、ユーベルメンシュとて、それほど特別というわけではないところが見えてきたので、今後、キャッスルたちと共に行動するようになったら、E-74もマックス同様、変わってくるかもと思ったりする。
それにしても、久しぶりにラファエルがキャッスルへの思いを見せてくれたなあ。守りたい人へ向ける思いは、子供っぽく思うほど純粋で、くすぐったくなるものがありましたけど、あやすようなキャッスルとのやり取りは、とても微笑ましいものがありました。見せ付けてくれやがって……ジャマしたマックスに思わずグッジョブ!といいそうになりました。
個人的には、キャッスルはエイゼンとくっついて欲しいんだけど、まあここでは許して差し上げる(何様だ)。
肝心のエイゼンはどうなったのかと思ったら、やっぱりオブライエンが動いてたか。何気にいろいろ手を回してるよなあ、このおっさん。
前作を読んだときには、下手に出てるように見えるけど、もしかしたらマックスを喰ってしまうんじゃ……と思ったけど、ラファエルが完全に目覚めてしまった事で、追い詰められムードがむんむんしてきて、かなりいい気味だと思ってる僕がいる。
オブライエンの行く末については、メイエとグッドリーが鍵を握りそうですね。
とまあ、ここ数巻いろいろあったので、全員が交流したときは、ほんと嬉しくなりました。久しぶりにキャッスルの快活な命令が聞けて、やっぱこうじゃないとと思う僕は、別に命令されたがってるとか、そういうのじゃないですよ。たぶん。
みんながいる。その安心感があったから、最後は切なかったなあ。
今後、火星が絡んでくることを考えたら、キャッスルの決断は間違っていないと思います。ただ、相手を思うが故だとはわかるけれど、わかるからこそ、辛かったです。
そして何より辛かったのは、シドーとグッドリーの関係ですね。シドーが思わず口にした言葉は、彼の本音であることがわかるから……共にいて欲しかった。あの場で引いたシドーの心を思うと、ほんと涙が出そうになったけど、いつか、という思いが、彼らの未来を繋いでくれたらと、そう願いたくなります。
別れの日―キル・ゾーン
須賀 しのぶ
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