マーシアン?
「ネオ・ジェネシス」の重要機密?
この女の子が!?
火星を地球化しようとする「ネオ・ジェネシス」計画を推進するものと、反対する過激派「MOTHER」。「ネオ・ジェネシス」計画の切り札を破壊するために、カイリは、研究員として「ネオ・ジェネシス」のセンターに潜り込み、そこで、「ネオ・ジェネシス」計画の要である火星の海で生まれ、人工的に進化させた人間型の生命体の少女、結と出会って……というお話。
三度目の世界大戦の影響で、地球のほとんどが汚染されたため、火星を目指す、というお話になるのかと思ったら、もうちょっとこじんまりとしていましたね。
「ネオ・ジェネシス」計画により、貧富の差が激しくなったことで、政府の計画なんか無くなってしまえばいいと、研究員として潜り込んだカイリが裏工作を進めて、ちょっとずつ内から崩していくあたりは、ちょっと悲劇のヒロインっぽいイタさがあったんですが、結と出会ってしまったことで、自分だけが犠牲者でないと気づき、どうすべきか迷っていくあたりから面白くなってきました。
「ネオ・ジェネシス」計画を進める側のお話もまたやるせないものがあって。結の「兄」として彼女の側にいた楓が、内に歪んだものを抱えていることがわかってくるところが、辛かったなあ。父を超える妄執にとらわれて、「兄」としての立場を忘れていくところは……でも、研究者としては間違っていないところもあるので、何ともいえないものがあるからやるせない。
立場はまるで違うけど、二人の男が、一人の少女をめぐって葛藤を繰り返しながら、自分を見つめなおしていくうちに、支えとなるものを見つけていく展開が良かったです
。
最後はちょっと切ないものがあったけど、いつかきっとという希望も見えてるので、ハッピーエンドだと思いたいですね。
Mother―そして、いつか帰るところ (コバルト文庫)
高野 冬子
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