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[須賀しのぶ] キルゾーン 赤と黒

キャッスルたちが人質奪還作戦から帰還して四日が過ぎていた。近いうちに、かの地に航空部隊が空爆を行う事になったが、キャッスルたちも警戒に当たるべく準備と訓練を行なっていた。だが、キャッスルの訓練には、部隊の誰もついてこれない。エイゼンの不在と、何よりラファエルを失ったことが、彼女の歯止めを聞かなくさせているのだ。
そんな折に、予定より早くエイゼンが帰還したが……

女隊長キャッスルが率いるレジスタンスと戦う治安部隊を描いたお話の第六弾。今回は、空爆を控えて荒んだキャッスルのもとへ、エイゼンがもどってきて、というお話。

キャッスルたちがボルネオへ向かう前のエイゼン側の様子が見えたりしましたが、お金で割り切れないが故のエイゼンの複雑な気持ちが見えますね。素直に……なれない過去があるんだろうなあ。例の人の部下であるメイエとの関係が大いに気になる。

ともあれ、戦場では強くとも、普段は何かと折れやすいキャッスルが、エイゼンのこと、ラファエルのことで、荒んでいくところは、見ていて痛々しいなあ。なまじ出来る人なだけに、こういうとき、寄りかかることが出来る人がいないってのは辛いですよね。

エイゼンが戻ったとき、わだかまりを残しながら、思わず口走ってしまった事は、彼女にとって、一生の悔いになりそうだけど、そこで安易な慰めに走らなかったエイゼンに、彼女の思いを感じました。ああ、もう、なんで素直になれないかなあ。ぶつぶつ。

一方、ラファエルを手にしたマックス側ですが、圧倒的かと思ってたサリエルが、意外にも短気な姿を見せてましたね。力はあっても、状況次第ではマックスのが上かもしれない。目的に対する行動などを考えると、今後この二人の駆け引きがどうなっていくのか、楽しみだなあ。

いやあ、面白かった。「力」については、ちょっと強すぎるんじゃね?みたいなものがあるんだけど、それを取り巻く人間ドラマに引き込まれっぱなしです。
最後に来て、サリエルすら驚くような引き合わせで、ラファエルがキャッスルの元へ戻ってきましたが、サリエルの心が歪んでる気がしないでもないので、エイゼン、キャッスル、ラファエルの関係がどうなっていくのかとか、キャッスルはともかく、彼の力の一端を部隊の人たちが知ってしまったら、どうなるんだろうとか、今後の展開が気になるばかりです。

そういえば、前作でちらっと出てたグッドリーとシドーがいい具合になってたなあ。できれば、今後も出て欲しいですね。そしていつかは……。

キル・ゾーン 赤と黒 (コバルト文庫) - 須賀 しのぶ

キル・ゾーン 赤と黒
須賀 しのぶ

集英社(文庫)
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