ボルネオをこのまま放置しておくわけにはいかない。だが、奪回するほどの兵力はない。ならば、残された途はただ一つ、破壊しかない。基地司令部の討議の結果、ボルネオのコタキナバル基地は、空爆することになったが、あちらには人質がいる。空爆が決行される二週間後までの間に、キャッスルたちは再びボルネオ入りし、人質を取り返すよう指令が下ったが……
女隊長キャッスルが率いるレジスタンスと戦う治安部隊を描いたお話の第五弾。今回は、レジンスタンスの猛攻から、辛くも逃げ出したキャッスル分隊に、人質救出作戦のため、再びボルネオ行きが命じられるお話です。
人質がいるから助けに行く。それはいいんだけど、たったふたりのために、それよりも多くの兵士の命が奪われるかもしれない作戦ってのは……と、思わず、人の命を数で数えてしまったけれど、作戦を決行する人たちの身からしたら、そう思うのもわかる気がしました。
でも、助けてくれるかもしれないと思うからこそ、人質となっても生きようとする気力も沸くんだろうし、このあたり難しいですね。
で、このボルネオへの救出作戦で、いきなり襲ってきたエイゼンショック!言われてみたら、思い当たる事は多いけど……信頼がこういう形で成り立っていたなんてきついなあ。
いっそのこと、キャッスルも、自分の気持ちをぶちまけてくれればいいのに、なまじ理屈を理解してしまうから、溜め込んでいく悪循環は、よくないですよね。
とりあえず、そのあたりは、ラファエルが和らげてくれてますが、それでも支えを失ったことは、大きな出来事でしょうね。
それでも見えてしまうキャッスルの信頼と、エイゼンの中にある複雑な気持ちが、辛いです。
それにしても、戦場での非人道的な出来事は、そういうものだとわかっていても、心に痛いものがあります。いや、本当はあってはいけないことなのに、それが平然となされるから、なすことに心を痛めない人が生まれてしまうから、戦争が無くならないのではないかと思ってしまいますが、ここで怒ることができるキャッスル隊のメンバーは、まだ大丈夫ですよね。
できれば、シドーには、今回救われた人を癒してあげて欲しい。あなたならできると、そう思うから。
ちょっと荒む気持ちばかりが目立つ本作でしたが、その中で清涼剤になってくれるのは、やっぱりラファエルだなあ。だんだんと、キャッスルへの思いを表に出すのに照れがなくなってる?かな。シドーへ打ち明けるときとか、何か学生の修学旅行の夜みたいな雰囲気で、微笑ましいものがありましたが、ボルネオへ近づくにつれて、様子がおかしくなるときは、また覚醒するのかと思ったら、妙な展開になってきましたねぇ。
マックスとのハレーションっぽいことから、まさかの人まで目覚めてきたけど、今後どうなっていくんだろう。ただでさえ、キャッスルは支えを失ってる状態なので、早いところ合流してくれないと、やばいぞやばいぞー。
嘘―キル・ゾーン
須賀 しのぶ
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