「アカデミアは地上人の君らを、卒業するときに文句なしの宇宙船乗りにして送り出す。そして君らは行くのだ、上へ。宇宙へ。誰も行ったことのないような、新しい宇宙へ。星々の輝きに祝福を受けながら。星は遙か彼方にあるのではない。望みさえすれば、励みさえすれば、君ら全員がその手にすることができるのだ」
人類が月に第一歩を印してから、百五十年。太陽系で唯一の宇宙飛行士養成学校に、夢を持って入学した新入生たちが、仲間と共に困難を乗り越えていくお話です。
これは最高に面白かった!
同じ夢を持ってる者同士だからこそ通じる会話とか、ほんと楽しそうで、読んでるだけでニヤニヤしてしまう。
もちろん、楽しいことばかりじゃなく、学ぶことの大変さやクラスメイトとのわだかまりなども生まれたりするんだけど、そういうのを乗り越えていく過程もいいんだなあ。お互い刺激し合い、時にぶつかり合うこともあるんだけど、仲間になって絆が深まっていく展開は、読んでいて気持ちよくなります。
見届ける教官たちの視線が、厳しくも優しいのはわかる気がする。
語り手たちはみなファースト(一年生)なので、宇宙へ出ることはないですが、宇宙の厳しさを知り、それでもなお憧れて、前を向く姿は、素晴らしいものがありました。
エディの話にじわりとして、孤立していた少女が仲間になっていく様子にニヤリとして、サバイバルを達成したシーンで熱いものがこみあげてきて。
好きなシーンはたくさんあったけど、なにより素晴らしいのは、各章の冒頭で引用される先人の宇宙探検隊の言葉でしょう。ユーモラスでロマンがあって。最後に語る宇宙乗りだけの特権には、やられるばかりでした。
こういうお話、大好き。
STEP OUT (コバルト文庫)
榎木 洋子
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